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XECUTIVE 技術交流センター」を開設し、大学のサテライトも併設されています。前述した鋳造研究会も成果の一つです。平成27年には現場改善をテーマに、手法を学ぶ勉強会を開きますが長年続く市の支援の一つです。県からは展示会への出展、補助金の申請や産学連携での支援を受けています。現在、県や市、大学等研究機関に地域の事業者が参加したコンソーシアムが組織され、当地域の事業者は、技術力向上や経営力強化ための支援を受けることができます。補助金の申請書作成でも、基本は自ら作成しますが、その内容を研究者やセンターの担当者から助言を受けてブラッシュアップすることができます。そのため、当地域では「ものづくり補助金」の採択率も高いのではないかと思います。大卒従業員の採用で技術力の向上を進める村山 大卒従業員の採用を成功させた要因は、どのようなことですか及川常務 大卒従業員を採用し技術力を高めていくことは、競争に勝ち残るための不可欠な取組みと考えています。しかし、中小企業にとっては難しいことも事実です。大学院で学んだことで先生との関係もできていたことから、採用について相談することができました。先生からは、当社の事業を理解44444した人材を採用しないと長続きしないと助言されました。そのため、大学で開催された会社説明会に参加し、当社について説明を行い(※)、面談や現場見学を通じて学生の理解を深めるとともに、当社も学生を知ることができました。一方、大学卒だからといって優遇すれば、今いる従業員からイジメを受けて退職に追い込まれるのではないかという懸念を持っていました。従業員の理解を得るためにも、採用は正規の方法で行い、かつ採用時の給与も中途採用者と同程度とするなどの工夫をしました。※実際には、大学の教員から学生に対して当社の説明や面談を受けるようにアドバイスがあったとのことです。考えて行動する従業員を増やす村山 大卒従業員の意欲継続のためには、どのような工夫をされていますか及川常務 勉強会への参加や学会誌への投稿など研究発表の機会を提供しています。「網谷賞」(学会東北支部)受賞など、成果も出るようになっています。また、発表会参加の副次的な効果として、他の従業員が大卒従業員の活動や考えを理解できるようになりました。当地域では戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の採択を契機にコンソーシアムが組成されており、県や市の支援と大学の協力が得られる体制が整えられています。その支援を得て、研究発表を目指すことも可能なため大卒従業員だけでなく他の従業員の意欲の向上という副次的な効果も出ています。大卒従業員の発表は、当社の技術力のアピールともなります。基礎的な取組みであっても日々改善に向けて取組みを進めないと中小企業の事業継続は難しいと考えています。そのためには、常に考えて行動(左)及川常務 (右)岩手大卒の細川さん砂型に溶解鉄を入れる作業22中小企業支援研究

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