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INTERVIEWする従業員を増やすことが重要と考えているので、今後もこの取組は続ける考えです。今後の事業展開村山 今後の取組みについて教えてください及川社長 補助金の採択により、平成27年早々にCAD/CAM機を導入します。1000万円を超える導入費用は中小企業にとって負担は少なくありませんが、補助金が後押ししてくれました。これを基にデザイン力を向上させたいと考えています。プロのデザイナーは素晴らしいデザインをしますが、現場の顔が現れない(実用的でない、製造技術面から品質を維持できない)場合もあります。そのため、当社では若い従業員にオペレーションを任せて意欲を高め、現場に合致したデザインの製品を世の中に送り出したいと考えています。その後には、3Dの型堀機、さらに3Dプリンターを導入して、簡単な型は自社でデザインから製作までできるようにしたいと考えています。鉄器はデザインによっては売れない場合もあり、型の製作にはリスクがあります。CAD/CAMによるデザインと3Dの型堀機の導入で型製作の内製化を進めることはコスト削減やリスク低減可能です。また現代は、物流の発展により世界との距離は狭くなっており、部品を取り寄せるのに、デンマークからでも九州からでも同じ2日で届きます。試作品の作成や受注に対する早期対応を進めることは発注側にとっては魅力となります。品質の向上に加えて、早期対応能力を身につけることで、企業力を高めたいと考えています。当社がある水沢地区では鉄器販売の好調もあって事業者数は安定していますが、全国では4年前に1200社(及び事業者)であった同業者が、現在では800社に減少しています。堀江先生は600社が国内鋳造市場に適した事業者数ではないかと推定されています。そのこともあり、当社として常にアンテナを張り巡らし、新しいことに挑戦し続けることが不可欠と考えています。【参考:水沢鋳物工業協同組合】水沢の鋳物産業は、60社の鋳物工場と40社の鋳物関連工場から成り、この地に一大産地を形成している。産地の歴史は古く平安時代の末期(1088年)ごろから始まり平泉文化と深いかかわりをもつ。代表的な生産品は伝統ある鉄器、鉄鍋、風鈴などの「南部鉄器」、自動車部品、建設機械、農業機械、工作機械等の「産業機械鋳物」である。鉄器の販売では、販売員を出展する組合員が務める一方で、組合がオーダーを取りまとめ、組合員に発注する仕組みを作り上げている。国外の発注先からの振り込みを確認後輸出することで代金支払い事故を回避している。南部鉄器の名称は組合に入っていることで認められるため、組合への入会を希望する事業者もいるが、設備投資や技術面から簡単には参入できない。安定した販売により伝統工芸品の生産維持が期待される。(及川社長インタビュー等から)当社製品の南部鉄瓶等■会社概要会社名…………株式会社 及精鋳造所本社……………岩手県奥州市水沢区羽田町字明正147番地資本金…………3,000万円創業……………大正5年 南部鉄器製造工場事業内容………銑鉄鋳物の製造及び販売機械加工仕上げ年商……………7億円代表取締役……及川 敬常務取締役……及川 敬一取締役…………及川智恵子昭和40年……優良工場受賞昭和45年……中小企業合理化モデル工場指定23中小企業支援研究 Vol.2■インタビュア村山賢誌…千葉商科大学経済研究所客員研究員中小企業診断士(ITマネジメントセンター代表)

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