rss-val2-通し
28/64

XECUTIVE のように引き継がれているのですね。まさに知的資産の承継ですね。コスト面で工夫されていることはありますか。宮本 先ほどお話しした新規事業ですが、その前から切削工具の再研磨、刃具の改造及び製作をしていますが、平成21年より新規事業化しています。この技術は、現在までに培った加工技術を活用したもので、刃具の長寿命化と当社にしかできない加工プロセスの構築に有効と考えています。赤上 もう少し新規事業の内容をお聞かせ願えますか。宮本 当初より、切削加工には、刃物が欠けてしまう、加工に刃物が合わない等の問題があります。それによってエンドミルやドリルの高価な工具の使い捨てをし、効率的ではないことがありました。当社の新事業は、切削する素材と切削条件で、適する刃物の形が違うという課題を解決するために、欠けた刃物を再研磨、刃具の形状をその加工に合わせることによって、刃具の交換回数を減少させ加工効率を高めるものです。これによって、作業の効率化、歩留まりの向上、刃物の延命化、刃物自体の購入コストの削減が実現できます。さらに今後こういった切削加工では、64チタンやニッケル基の耐熱合金などの難しい加工材料への対応が求められて、通常の切削加工業の刃具の寿命が短くなる傾向にあります。土橋 これは御社のみではなく、お客様の加工にも適用して頂くものですね。宮本 当社の技術を活用して、お客様の加工費用も軽減され、大変喜ばれています。赤上 御社の経営理念にある、「人と自然を大切にする」ことが先ほどの人材育成と省資源化、ひいては、自社、さらにお客様の工程の加工コスト削減にもつながっていることがわかりました。土橋 ところで従業員の方々は、現在48名とのことですが、今後何名位にしようとお考えでしょうか。100名程度でしょうか。宮本 100名では多すぎると感じています。私自身で把握できなくなると思います。土橋 それだけ1人、1人の従業員様の成長にこだわりがあるのですね。宮本 各加工担当者のそれぞれの経験からくる「匠の技」がこの事業の基盤をなすものであり、彼らの成長が当社の成長の根底をなすものと考えています。土橋 この新規事業の今後の展開はいかがですか。今年はものづくり補助金等の政府施策がありましたが、技術の向上に向けた施策等ありましたらお伺いしたのですが。宮本 今年(平成26年)のものづくり補助金に採択して頂いて、設備の増強を図ることができました。土橋 具体的にはどのような設備でしょうか。宮本 仕上げに使うラッピング加工機で、加工条件を最適化して研磨加工の高精度化を図ります。それによってお客様の切削性能改善による低コスト化に寄与できればと考えています。具体的には工具刃先の微小部研磨といった精密加工技術の高度化を図るものです。土橋 それによって、よりお客様の高精度加工が可能になるわけですね。お客様へのPRはお考えですか。宮本 国内外へのPRをしようと思っています。土橋 イベント等へのブースの出店か何かですか。宮本 はい、国内始め、台湾等の需要を探索しています。赤上 これがまた一つの事業転機になることを願っています。宮本 ありがとうございます。チャンスは基盤を固めて、逃さない!!赤上 ところで、現状の主力事業に関する悩み等はありますか。宮本 現在フル操業状態であり、設備をもっと増設できないかということが悩みとなっています。この業種は、チャンスの時に対応することで、さらに成長が期待できます。日々、お客様の環境が変化しており、それにできる限り対応することが中小企業でも重要であり、当社の現在の課題です。赤上 対応としてはいかがですか。宮本 これからの新機種も、自動車の性能アップにより困難な加工が増加し、当社が活躍できるものと予測し、やり抜いていこうと考えています。それに対応して設備投資を検討していく予定です。土橋 それらが今後の成長戦略に関係していると考えられますが、さらなる事業拡大を考えてのことでしょうか。加工製品の一例26中小企業支援研究

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です