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調査報告やスキルが向上し、自分のものになり個人の成長を導きます。その個人知が、組織知として組織内に蓄積され、利を生み出します。知の創造サイクルが、組織に利の増大をもたらします。(図表-2参照)【事例研究-3】計画的技能蓄積による知的技能者を育成する金属加工製造業 K社(図表:4-③)社員一人ひとりの技能レベルを一覧表にしたスキルマップを作成し、工場内に掲示しています。技能向上を啓発し社員のモチベーションを高めています。技能検定習得を奨励し多能工から一専多能工、そして知的技能者へとステップアップを促しています。知的技能者は、他者を指導できる熟練者であり、生産ライン長として運用管理リーダーとなります。6.「ユニット採算性」管理会計システムを導入QOL経営は、人が持つ知の能力を大切にし、個人の独自能力を尊重します。収益構造は、独自能力を構成する知の組合せにより利を獲得します。市場ニーズを迅速に捉える知の組合せを図ります。個人の知は、市場のニーズに合わせ紐付きます。必要な知を所有する個人の集合体を集め、ユニットを組成します。ユニット毎に採算性を追求し利益管理をします。人の育む知がどのように運用され、利益に計上されたかを管理する方式です。(図表-3参照)組織体制は、ユニット毎にリーダーを1名指名し、リーダーの下には補佐役を配置します。ユニットの知を構成する専門職は、所有する知の種別とランク付けをし、ユニットの案件ニーズに合せ、ユニット間を移動します。リーダーと補佐役は、年間を通して所属ユニットを固定します。利益管理は、ユニット毎に行います。リーダー及び補佐役の人件費は、固定費として販売管理費に計上します。専門職の人件費は、変動費として案件ごとの原価に紐づけ売上原価に参入します。リーダーの管理可能[損益項目]として変動費として扱います。ユニットの採算性は、売上総利益/粗利で管理します。組織全体の利益管理は、ユニット毎の採算利益表を連結します。QOL経営独自の管理会計方式です。組織の人材評価・育成計画および経営戦略を立案する有効なデータとして活用します。報酬の査定は、リーダーと補佐役は粗利益率で評価し、専門職は担当した案件の粗利益の積み上げと案件ごとの貢献度を定量化し、評価します。ユニット採算性は、人の持つ「能力=知」の運用実績で評価管理し、人の持つ知がユニット間を移動することにより、知の連鎖が進み、利益を生みます。個人には成功体験の積み重ねにより知識が蓄積されます。組織には知的資産が蓄積され、業務システムが確立されます。利益を生む組織構造が出来上がり、組織の強みとなります。【事例研究-4】売上から粗利重視、日次決算を導入。大手家電量販店の脅威を跳ね除けた「街の電気屋さん」Y社(図表:4-④)(出所)野中郁次郎SECIモデルから筆者が実践事例として作図図表-2:知識創造経営 図表-3:知の交流を促す利益連鎖組織40中小企業支援研究

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