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「他より1円でも安く」を謳い文句に、安売り大手家電量販店がひしめくエリアで、あえて高売りに挑戦した「街の電気屋さん」。売上ではなく徹底的に粗利益を重視、商圏を絞り、値引きや掛売りはしない。「お客様に呼ばれたら、すぐにトンデいく」高い粗利達成の要因は、毎日の個人別粗利チェックにあります。お客様へ手落ちがないか?お客様の声を聴いているか?日々見直し、反省し改善しているところにあります。「高く売っても愛される」粗利率35%達成のモデルです。7.まとめ 本稿で取り上げた4つの経営モデルは、市場ニーズを先取りし、人の生き方を尊重するQOL視点で取組む経営革新事例です。すべての事例にみられる共通した成功要因は、一に、経営トップが高貴な理念を掲げ、社員と目標を共有しています。二に、モノ+コトの付加価値創りに挑んでいます。コトの価値創りは、社員の創意工夫に委ねるものであり、チーム連携により知の交流が進んでいます。三に、従業員一人ひとりが育む知の資産づくりを、組織が評価し、賞賛する仕組みがあります。社員のモチベーションを高め、自律を促すメカニズムが働いています。差異が見られるのは、「利を生む知の連携」その進展に優劣が見られます。その要因は、リ-ダ-の存在であり、その質と量の違いです。経営トップは自らリーダーシップを発揮していますが、次の職位にどれだけリーダーが出現しているか、優劣の差異が見られます。「リーダーの出現率をどう高めるか」が、今後の重要課題であり、成長する可能性が残されていると考察されます。本事例を通して、事業経営において「人と人との関係性」が重要であり、そのつながりから利が生まれていることが考察されました。QOL視点での経営の取組みをご提案いたします。クルマは街の相談役安心・安全、迅速対応地域に密着・地域に貢献地域活性化を担うドラィバーナビを育むコミュニテイ・ビジネスモデル円卓発想の職能連携を促す知識創造モデル個人の技能を組織に蓄積課題解決へ、知を組合せる知の利を生む連鎖モデル裏サービス恩を売り、利に還る高売りのモデル人と金属の調和を目指す。 21世紀の都市空間に美を創造します。Ⅰ お客様の我が儘を全て聞く事Ⅱ お客様の痒い所に手が届く事Ⅲ お客様の楽しい買い物を楽しく  お手伝いさせていただく事私たちは最期まであなたらしく、地域で生きる社会を実現します【参考文献】●田崎美弥子、中根允文「WHO QOL26改訂版」(金子書房2007年)●真田茂人「自律とモチベーションの教科書」(CEOBOOKS 2008年8月)●カッツ、ロバートL(Katz, Robert L.)コンセプチュアル・スキル3つの分類ホームページ2014年12月12日(http://www.educate.co.jp/glossary/3-education/112-katzrobert-l.html)●野中郁次郎、竹内弘高=著/梅本勝博=訳「知識創造企業」「The Knowledge-Creating Company」の邦訳(東洋経済新報社1996年3月)●吉原啓輔=編著「ホスピタリティマネジメント」(白桃書房 2014年7月)●山口勉『でんかのヤマグチさんが「安売り」をやめたワケ』(宝島社 2010年1月)●上總 康行「京セラのアメーバ経営の仕組み」(関西大学経済・政治研究所 セミナー年報2010年) ●堀内 仁「高齢者の自律に向けて、参加と活動 QOLアプローチの有効性に関する研究」(千葉商科大学大学院修士論文.2011年)図表-4:経営モデル事例一覧41中小企業支援研究 Vol.2

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