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て、今後は「モノづくりからコトづくり」への発想転換が必要と提言する。21世紀に入り頻繁に用いられ始めた「コトづくり」は、高度成長を支えた大量生産商品群が、コモディティ化し、激烈な国際コスト競争に遭遇して、日本の「モノづくり力」の国際競争力が低下しているという見解に端を発している。「モノづくり」は前段階の研究開発、デザイン、試作段階と、後段階の流通・サービスのオペレーション、メンテナンス、クレーム対応、廃棄物のゼロエミッション化等の全プロセスを通じて創意工夫を活かし、製造物責任を果たし、付加価値創出を図ることをコンセプトとする発想により構成される。コンサルティング・ビジネスは「モノの問題点の指摘」という旧来の発想から脱却し、モノのみでなく、コトづくりの立場に立つべきであり、その中心課題としてモノ開発発想からイベント発想、アワード発想へと進化が求められている。①あなたの作ったモノが社会に認められ、競争に勝ち、いつまで売れるかについて考えよう。②モノづくりからコトづくりへの進化を図り、「売れ筋」発想を「買われ筋」発想に改革しよう。③人財・資金・情報への先行投資力を確認しよう。④作ったモノの普及方法を考えよう。⑤イベントでモノを展示し、ユーザーの意見を聞こう。⑥モノの表彰制度に応募し、アワードを手にしよう。したがってコンサルティング・サイエンスとは、将来の経営環境を予見する技術であり、モノづくり経営体において、持続が不可能と懸念されるような経営課題の発生前に、それを予見し、そうならないように「コトづくり」によって対策を提言し、経営の持続が可能となるような体制創りを楽しんで助言できる信念と手法の融合技術と定義できる。「モノづくり」プラス「コトづくり」によって、持続可能な要因のみの経営体を創り、日本学術会議の指摘する科学的安定経営持続を、助言先とともに獲得して充実感を味わえるよう期待している。23中小企業支援研究 Vol.5

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