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INTERVIEWところで、私から逆に質問ですが、世界が終わるまでにあと3回食事ができるとしたら、何を召し上がりたいと思いますか?前田 そうですね。お寿司と牛肉の焼肉かステーキ、それとかみさんが作ったカレーうどんです。森田 やはりたくさんの人が牛肉はかならず3回の内のどれかに入れると思うのです。それだけ人気の高い食材です。栗原 おっしゃる通りと思いますが、地域差もあって東京の人は大阪に比べ牛肉の消費量は少ないのではないでしょうか。森田 統計ではやはり大阪市の南の地区や堺市付近が牛肉の消費量が多いのですが、最近は東京でも消費量は増えています。特に外食店での消費が増えており、最近では数年前の3倍近くに増えています。それだけ東京の焼肉店は増えており、競争が厳しくなってきているということです。一方、家庭の消費はそれほどではないようです。東京の皆さんは家庭で普段召し上がるお肉をどこで購入されているのでしょうか。お肉屋さんで買うよりもスーパーで買う方が多いでしょうか。先日、江東区のある大型スーパーの肉売り場を拝見しました。品揃えはものすごく揃っていて、近所のスーパーとは比べ物にならないですが、価格が非常に高いという印象を受けました。具体的に言うと駒川商店街で売られている国産牛の値段がオーストラリア産の牛肉の値段です。当然、国産牛はもっと高く、さらに和牛はその上です。不動産の価格が東京の方が高いからそういう結果になるのかもしれませんが、それでは一般の家庭ではなかなか普段の食事で和牛を召し上がることはできません。栗原 それで東京の赤坂へ出店されたのですか。出店の経緯をお聞かせください。森田 東京に炭火の無煙ロースターでお客様の服に臭いがつかず、ビルの2階から上のフロアーで50席程度とれる大きさの店舗を探していたのですが、たまたま、知人から条件に合うような店を紹介されて、始めました。インターネットテレビのAbema TVの取材もありました。当店では「お肉タワー」というメニューを始めたのですが、その取材番組はYou Tubeで見ることができます。新しい事業でも素材(品質)には、とことんこだわりたい栗原 これからも同様に事業展開をしていくには、投資リスクもあり、時間もかかります。お父さまの時代は高度成長期にあり良かった時代でしたが、今は自ら市場を作っていかなければいけない時代です。社長が考える今後の課題についてお聞かせいただけますか。森田 私は素材屋でありたいという思いが強いと思います。お好み焼き店の「花まる」と赤坂の「ええご」の飲食店をやってみて、素材屋と飲食店を一緒にやることは、仕入れの面ではメリットになることが大きいのですが、経営の面では逆に素材に縛られ弊害になる場合もあります。飲食店であったらその店にあったコンセプトを作って、コンセプトに応じた多様な素材(食材)をお客様に提供していくことでお客様の支持を得られると思うのですが、どうしても素材屋の思いがそれを邪魔してしまうのです。お店のコンセプト作ってそれに応じて多様なものを提供してお客様の満足を得ていくことであれば、別に私でなくてもできるのではと思うのです。私にしかできないことは何か、素材にこだわる強い思いが私にはあります。その思いにどう折り合いをつけるのか着地点を模索しております。答えはまだ見つかっていません。食文化からは外れないのですが、やりたいことは次から次へとたくさんあります。「日本と大阪の食」に関する事業を展開したいと考えております。栗原 事業展開は一人でできることではないと思います。組織としてはどのようにしていきたいとお考えですか。森田 今はものすごくワンマンです。日々それでは厨房に立つ森田社長29中小企業支援研究 Vol.5

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