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調査報告41.1%、「満足していない」が13.8%であった。譲り渡しが有償だったか無償だったかで満足度に違いがあるかをみると、「満足している」の割合は、有償の場合は47.6%、無償の場合は43.5%であり、大きな差はなかった。譲り渡しの満足度は対価の有無とはあまり関係はないといえる。 譲り渡して良かったことをみると「従業員の雇用を守ることができた」が24.5%と最も高く、「販売先や受注先に迷惑をかけずにすんだ」が23.7%、「負債を整理または軽減できた」が22.5%、「事業をやめる際の費用を軽減できた」が20.9%と続く(図表3)。「特にない」の割合は25.7%であり、約75%が何らかの点で良かったことがあったと回答している。この割合は、譲り渡しに「満足している」と回答している割合(45.1%)より高く、必ずしも譲り渡しに満足しているわけではないが、良かったことはあると認識している企業があることを示している。 一方で、経営資源の譲り渡しには課題もある。譲り渡した企業であっても、18.6%は譲り渡しに「抵抗感があった」と回答している。抵抗感のある理由は「経営資源の価値に見合う対価を得られない」が53.2%と半数を占める。次いで、「自分が知らない相手には譲り渡したくない」が46.8%、「思い入れがあり手放したくない」が36.2%、「お金のために譲り渡したと思われたくない」が23.4%と続いている。なお、経営資源の譲り渡しの抵抗感について、譲り渡していない企業にも尋ねると、「抵抗感があった」は9.3%で譲り渡した企業よりも低かった。譲り渡していない企業では「わからない」が33.2%と、譲り渡した企業の10.3%と比べて高く、そもそも譲り渡しについて考えたことがない企業が多いと思われる。 また、経営資源の譲り渡しの際に困ったことや大変だったことをみると、「特にない」の割合は44.7%であり、約半数の企業は困ったことや大変だったことがあったと回答している(図表4)。最も割合が高いのは「残っている債務を整理しなければならなかった」の15.4%で、次いで、「譲り渡す経営資源の対価に関する交渉が大変だった」が12.6%、「譲り渡す相手がすぐに見つからなかっ図表3 譲り渡して良かったこと(複数回答)(詳細調査)図表4 譲り渡しの際に困ったことや大変だったこと(複数回答)(詳細調査)40中小企業支援研究

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