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【報告テーマ】事例報告土橋 正人中小企業診断士(経営システム創造研究所 代表)ISO 9001 による経営強化支援(株式会社日立金型技研の事業事例)51中小企業支援研究 Vol.5生産システムの強化支援 本稿では、ものづくりに関わる「ISO 9001の運用支援事例」として、生産システムの強化を図ることをテーマとした、株式会社日立金型技研への支援事例研究について以下のとおり報告する。支援先の状況と経営課題 支援先は、茨城県日立市において、金型設計事業で昭和47年8月に創業し、平成19年に茨城県那珂郡東海村で株式会社日立金型技研として設立した。同社の代表者は小田島猛氏で、資本金3,000千円、従業員36名、年商514,000千円(平成28年5月~平成29年4月実績)の中小企業である。 現在の主たる事業は、プレス金型の設計・製作からプレス加工の一貫工程により、主要製品として、車載用ワイパーアーム品の製作で、年間1,000万本の需要に対応している。主な取引先は、日本ワイパーブレード様であり、当社の製品は、世界のワイパーアームの30%強を占める。 小田島社長および各部門スタッフの方々との打ち合わせの中で平成28年3月に認証登録したISO 9001を、単なる認証登録によるPRに使うことのみならず、ISO 9001の考え方を活用して、生産工程に品質を造り込むことにより、生産の安定化、社内外不具合品の発生防止によるお客様の顧客満足度を向上させたいとの目標があった。 また、さらに金属以外の加工需要に対応する新規分野への参入も現在開発課題として取り組んでいる。ISO 9001の現状 ISO 9001に関して、日本で認証登録が始まったのは、1994年版からである。その後、2000年版への移行があり、「品質システム」から「品質マネジメントシステム(QMS)」への移行が行われた。 その後、2008年版へのマイナー移行を経て、2015年版が現在の規格である。 日本の品質管理は、戦後欧米から導入された、SQM(統計的品質管理)から始まり、それを日本工場全景車載ワイパーの構造

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