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53中小企業支援研究 Vol.5同社の強みと成長への取り組み 本企業の強みは、各従業員の金型製作、プレス品に関わる匠の技を有するプロ集団であり、プレス製品の仕様によって、また金型のでき具合、調達素材の質などによってどこに「ばらつき」があるかを見極める技術である。特にその技術は連続的に製品が製作される順送型プレス製品への品質の造り込みを支えている。 それは、小田島社長とスタッフの方々の意欲と行動力によるものであり、ベテランの知恵と若いエネルギーの相乗効果によるものである。 さらにISO 9001を導入することでその技術が、ベテランからまだ経験の浅い方々への伝達、さらに金型製作部門へまで情報が伝達され、技術の共有化、ノウハウの蓄積、経験の浅い方々の早期技術を身につける風通しが良い企業風土の構築による安定した製品品質により、企業成長を目指している。現在の開発品の進捗状況 本企業は、主要製品の金属材料のプレス金型、プレス製品を生産する中で、金型加工技術の切断技術の延長線上にある新規分野として、通電が不要で熱影響がなく、効率的に形状を加工できるウォータジェット加工設備を導入し、金属以外の加工需要に対応する技術を現在開発中である。 ウォータジェット加工設備は、花崗岩、大理石、スレート、石灰岩、石鹸石、加工石材、磁器タイルやセラミックタイル、カーボン素材、ガラスや金属の加工に至るまで、複雑なデザインであっても高速かつ破損せずに美しく加工ができるため、非金属材料に対応した製品の形状、材質選択、等に活用した製品により、今後、既存顧客さらに別分野の顧客の需要に貢献することができる。支援内容 支援している主な内容として以下の指針のもとに支援している。①生産システムの中にISO 9001を適用させる。 現在、ISOを取得して1年が経過し、要求事項に対する適用、考え方の活用が主な支援となっている。 例えば、文書管理規定のような大きなプロセスから、製品輸送に関わる部分的なプロセスの確認と修正必要なプロセスの明確化、各統計的手法の導入、延いては工場内の見える化などを通じて、スタッフの方々と本企業のあるべき生産システムを模索しながらISO 9001を適用を支援している。②工場管理の推進 工場管理の推進の重要な支援として、関わるガラス類の切断石材とタイル類の切断小田島社長と生産管理を担当している奥様

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