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XECUTIVE 艤装金物への取り組みをはじめました。 この取り組みによって、建築金物と合わせて、鋳造から組み立てまでを一貫して対応できる金物メーカーとしての道を歩み出すことになります。昭和43年11月に組織の変革に伴い、社名を現在の「東日本金属株式会社」とし、私が平成18年に代表取締役に就任し、現在に至ります。沼口:御社では、「鋳物」のどんな点にこだわっていますか。小林社長:鋳物は「ものづくり」をする上での原点です。素材を溶かし、型に流し込み形を作る「鋳物」という加工技術は、「ものづくり」の基本であり、原点だと考えています。当社が、砂型鋳物にこだわるワケは、量産前の試作品製造や小ロット品の生産に向いており、なおかつ型作りのノウハウも兼ね備えたスピード感は、砂型鋳物ならではと考えているからです。 特に真鍮鋳物は、熱伝導性および電気伝導性に優れ、耐蝕性、耐摩耗性、耐圧性、軸受特性に優れています。そして、光沢感・装飾性があり、調合素材によって特性を変えられ、しかも、比較的安価で製造ができるという利点があります。小林常務:当社の特徴は、鋳造から組立まで、一貫した製品づくりができる点にあります。鋳造以外のプレス・板金加工・メッキ加工・旋盤加工といった様々な「ものづくり」に応えられますし、小ロット多品種のニーズに対応した技術開発ができ、各専門分野に特化した協力工場と技術や材質を共有することで、多様化する取引先の要望に対応することができます。近年では、歴史的建造物の金物の復元といった難しい要望に、長年蓄積し、培った技術をいかして対応しております。飽くなき「ものづくり」への探求 沼口:難易度の高かった歴史的建造物の金物の復元について、教えてください。小林常務:歴史的建造物の金物は、当時の最高級品で、職人さんの手間暇かけたものであることが多く、とても勉強になります。 設備が進化しているなかで、復元の仕事をさせていただいている私達が、50年後、改修が必要になった金物を別の会社の職人さんが復元した際に、恥ずかしくない仕事をするように心掛けています。 復元は「質」を求めて、「素材」・「構造」・「見た目」のすべてを復元する製品と同じもののように製造します。 当社は、協力工場とともに、どのように復元したら良いかなど相談できるネットワークを構築しているので、他社よりもスムーズに製造することができると思います。社長は、若い頃、取引先である金物メーカーで修行し、様々な現場を経験したことがあり、職人さんとのやりとりもスムーズで、長年培ってきたノウハウが役立つケースが多いです。 現在、社長に同行して、様々な現場を経験し、そのノウハウを学んでいます。小林社長:当社は、取引先・協力工場の皆様に恵まれており、「何か困ったことがあれば東日本金属さんに相談しよう」と、今まで地道に培ってきた信頼関係から、様々な仕事をさせていただいております。小林常務:一番嬉しかったことは、取引先から、「分からないことがあったら、東日本金属さんに何でも相談するようにと、新人に伝えているので、勉強させてやってください」とのお話をいただいた時です。私は、フロンティア墨田塾の6期生で、墨田区の工場とも交流があり、当社ではできない仕事をコーディネートすることもあります。探求・切磋琢磨した「若手後継者」の集まり沼口:小林常務は、地元墨田区のさまざまな取り組みに参画され、地域に貢献していると聞いていますが、どのような活動をされていますか。鋳物場の入口にさりげなく埋め込まれているオリジナルの置き物14中小企業支援研究

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