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研磨という業務について青木:研磨というと、家庭用の包丁を研ぐ、または表面を磨きこんで鏡のようにするイメージがありますが、御社が行っている研磨について教えてください。田中:一般的な包丁と同様に、企業でも製品を作ったり、加工したりするときにも切断という工程は必ずあるので、裁断するマシンには刃物が最適な状態で付けられているのですが、これらの刃物も家庭用の包丁と同じように使って行くうちに切れ味が鈍くなったり、欠けたりします。よって、刃物も定期的にメンテナンスして切れ味を取り戻す必要があります。これらのサービスを提供するのが当社の業務です。青木:そうなのですね。穴を開けるドリルや機械に取り付ける刃物、機械刃の切れ味を取り戻すことで、最終製品の仕上がりを決めるという重要な工程を支援しているのですね。工業的な刃物と言えば、丸のこぎりやチェーンソー、包丁以外で馴染みのある刃物は、カッターナイフやハサミですが、機械刃の形状はどのようなものがあるのでしょうか。田中:円形、四角形に留まらず、いびつな形をしたもの、等々世の中で使われている多種多様な形状の機械刃を再研磨しています。例えば、セロハンテープのような粘着テープや紙、フィルム、サランラップ、アルミ箔、鉄、そしてネギや肉等の食品の切断に使用する機械刃の研磨も手掛けています。青木:食品を切断する機械刃もですか。鶏を部位毎に解体する機械というのを見たことがありますが、刃の切れ味は重要ですね。ところで、食品加工用の機械刃の再研磨となると機械加工用の機械刃にない注意点があると思うのですが。田中:食品加工用の機械刃の再研磨にはコツがあって、加工中に刃が欠けて混入すると大きな事故に繋がるため、切れ味を保ちながらも欠け難い研磨を施す職人の勘所はあります。青木:再研磨の依頼を受ける場合には顧客から指示NTERVIEW社長プロフィール職人技と思われている研磨業界で、システムエンジニア出身である三起ブレード株式会社の田中社長に、入社の経緯や職人の技術を細分化する取り組み、人材確保の工夫についてお話を伺いました。田中慧(たなかさとし)1984年生まれ    2019年に社長就任、現在に至る左から、三起子氏、田中慧社長、社長が前職でスカウトした森嵩臣氏経営者インタビュー【三起ブレード株式会社】【三起ブレード株式会社】「男の世界」と言われている研磨業界に主婦の力で人材問題を克服する19中小企業支援研究 Vol.8

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