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支援事例2自動車部品製造業者事業概要 今回、支援を行った株式会社 藤原加工の企業概要は以下の通りである。 代表 代表取締役 藤原正光 本社:所在地 静岡県掛川市横須賀343 創業:昭和48年4月 資本金:1000万円 事業内容プラスチック製の自動車部品・機械部品・家庭用品等の製造及び販売従業員数 42名URL:https://www.fujiwara1973.com/ (株)藤原加工は静岡県掛川市にてプラスチック製の自動車部品を主力商品とする製造業者である。課題 当社は射出成形によりプラスチック製品を製造している。 プラスチック射出成形ラインにおいて、部品の欠けや装着不備が生じており、目視検査のダブルチェックをおこなっているが、なかなか改善しない。 人間の集中力には限界があり、システムで検査する方法を模索している。対策 製品のITによる検査方法はレーザによる距離測定、重量計測など複数ある。 今回の検査は目視検査の代替えである。人間の眼にかわる手法としてAI(人工知能)を活用した目視検査が実現できるのではという考えになった。 当検査ではAI(人工知能)の中でも、近年飛躍的に技術革新が進んだディープラーニング(深層学習)が課題にマッチする。 メリットとしては、製品を治具に固定するなどの手間を省けて高速に曖昧な画像を識別できる点にある。 作成した装置とシステムは下記写真である。 装置の撮影ボックス上部にカメラが取り付けられており、製品を投入するとモニタへ不良品の確率を表示する。 上記では約70%の確率で不良品と判定している。 これにより、作業員のうっかりミスを減らすことができる。まとめ 今回の支援事例として発表した2社は、ITの専門家を社内に有していない。しかし、両社の経営者ともに生産性向上への意識は高く、従業員の作業環境を少しでも改善したいと考えている。近年のAI・IoT発展はこのような考えの中小企業でも実現できる低価格化につながっている。また技術的にすごいことと、儲かることは別物であり経営のためのIT活用が強く求められる時代になったと著者は考える。53中小企業支援研究 Vol.8

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