中小企業支援研究vol1
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8中小企業支援研究 別冊石戸 当店とやろうとしていることが同じです。きれいな店づくりをしています。家族的な経営ですが、60年の歴史があります。ウォルマートのようなディスカウント戦略でなく、鮮度管理、お客様密着で、店舗のセンスが良く勉強になります。新しいことへの取り組み、店のつくりを含めてかっこいい、3店舗が素晴らしい、PB商品開発もこだわりがあり、良いと思います。商品は当社の方が良い物もあるのですが。店が素晴らしい。店作りにこだわりもあり、店内にピザの石窯もあります。社長が良い人で、勉強会で社長が講師で来られて以来、30代からお付き合いしています。スタッフ、店の素晴らしさの哲学が当社の価値観と合っていると思います。取引先、業者も褒め、働いている人も褒めることを優先せよと強調されています。先日も10人のスタッフとアメリカまで視察に伺いました。当社がスーパーマーケットを始めた頃、一緒に勉強した紀ノ国屋さんや成城石井さんの売却などの状況を聞きますと、私達も勉強をし続けていかねばならないと思います。前田 アメリカのコネチカット州、ニューヨーク州などで家族的な経営で4店舗を展開し、スーパーマーケットのディズニーランドと言われたスチュー・レオナードについてはいかがですか。石戸 私は、あまり興味はもっていません。前田 御社は明確な方針をもって前進されて、私が最初に社長にお会いしてからも店舗が増え、リニューアルも進行中ですね。ホームページの活用、インターネット販売などについてはどう考えておられますか。石戸 ホームページなどはご高齢者の方は見ないと思いますし、お客様向けというよりは、当社は会社案内がないので、ホームページでお取引先に当社のことをお知らせしたいと思っています。また、フェアを期待しているお客様もいらっしゃいますので、ホームページでお知らせしています。前田 御社にとって、自社開発商品、PB商品が重要な位置づけですが、仕入先の選定の基準などはどのようにされていますか。石戸 選定基準はありません。明確なものはありませんが、添加物などを使わないなどの基準を大事にしています。前田 仕入先開拓のご苦労が多いと思いますが、その一端を教えていただけますか。お客様の要望を中心に探されているのですか。石戸 仕入先の開拓という面では、お客様の声というよりも、多いのは地域の商談会に頻繁に招かれて行っています。地方も人口減少、高齢化の進行で県や地方行政からのご支援があり、私達が招待されています。つながりの深い県もあります。前田 まさに絆の強いサプライチェーンですね。NB商品についてはいかがですか。従業員の自主性を尊重して高質商品を開発石戸 NB商品は商社や問屋から仕入れています。11人のバイヤーがNB商品を選定し、PB商品は現地に出向いて、直に選定して仕入れています。前田 御社は一般のスーパーマーケットに比べて従業員の皆様が重要な役割を果たされていますね。石戸 はい。いわゆる歯車的な役割ではなく、自分たちで考えてやったことが、成果が出たときの楽しみを味わってもらいたいと願っています。しかし、成績に対しては厳しく管理しているつもりです。前田 地域、取引先への貢献についてお聞かせください。石戸 震災などに対する対策はできないのですが、お客様の立場で放射能等の数値を調べるお手伝いをさせていただきました。地域では商店街の副理事長もしています。前田 御社の自社工場について伺います。石戸 惣菜中心の工場です。安い素材でなくいい素材を使って商品化をしています。美味しいと言われます。できるだけ添加物を使わないからだと思います。食べればわかりますから。また、おいしさの追求は懸命にして、名前を言わず、良否は出さないで近隣店舗の同一商品を食べ比べています。価値も比較すると変化に気づくことが多いですね。価格も変化しています。高級売場でも、グレードが下がっている気がしています。食べ比べると一日中体の具合が悪くなることもありますよ。前田 当社では、年4回雑誌「KEIHOKU」を発行していますが、目的は何ですか。石戸 私たちのこだわりが伝わるし、商品開発のプロ

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