中小企業支援研究vol1
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16中小企業支援研究 別冊め4月、5月には売り切ってしまうことが大事です。売れ残っても量販店がバーゲンに入る前なので修正がききます。在庫のお替わりは腹8分目、商品によっては腹4分目にしている商品もあります。四番打者のようなヒット商品でも早めの売り期間で「ごめんなさい、すみません」の気持ちで仕入れをストップします。夏物で売れた商品でも秋物も同じデザインなら仕入れはストップします。ほとんど売れません。今の子供は二番茶には見向きもしません。前田 まさに仕入れは小売業経営の命、生命線ですからね。お客様とのコミュニケーションと関係づくり尾方 仕入れで失敗しないために、若い人、高齢の人の意見をコミュニケーションを通じて多方面から吸収することは重要です。そのために、アメリカ視察にも行って勉強もし続けているのです。まずは、お客さんの行きつけの店になることが大切で、お客さんが必要と感じてくれれば、やがて、お客さんが店を支えてくれるようになります。前田 景気が悪いから売れないと嘆く人も多いようですが。尾方 売れないのは自分のところだけ、売れているところはある。経営の仕組み、売る商品、仕入れ方、売り方を変える、専門店が好きなお客さんを多く作る、コミュニケーションを大切にすることが重要です。会社や商人はだめだと思った時から下り坂になってしまいます。前田 社長の長年の経験ですから、重みがありますね。商圏も広いのでしょうね。尾方 県内の八千代台、江戸川台、新小岩初め、鎌倉から、関東圏、全国に広がり、今では、世界中に広がっています。中国、台湾、ベトナム、インドネシアなど海外の支社などに勤務して家族で駐在している方もたくさんいらっしゃいます。里帰りしたときに買い物に来てくださいます。お買い上げ商品と一緒にパンフレットをさしあげますと、現地にお戻りになってから注文をまとめていただくようになりました。世界中では、日本と天候も異なりますからお客さんとのコミュニケーションが大事です。前田 よく年末のNHKの紅白歌合戦や歌番組などのアイドルのファッションの状況を観察されて品ぞろえに活用されていましたね。このようなご苦労の結果、仕入れた商品を店舗で販売するために、どのような工夫をされていますか。尾方 お客さんに入ってもらえるような店にするようにしています。都会のような店では、田舎の人は気後れして入ってくれないですし。見せる店と売る店は違います。前田 店頭に子供の滑り台や店内にクワガタムシがありましたが、あれも入りやすい仕掛けづくりですね。尾方 子供がクワガタを好きで親子で通ってくる大学の先生もいます。何かサービス、おまけを付ける。昔のような義理人情のサービスが重要と思っています。前田 昔の近江商人などの経営十訓などにもそのようなことが書かれています。尾方 特に、赤ちゃん用品の主力のお客さんはご年配の方が多いので、しゃべりたくて仕方がないという人もいます。それを聞いてあげるのもサービスと思います。サービスと信頼前田 サービスという言葉が最近話題になっています。社長が考えられているサービスという言葉はどのようなことですか。尾方 お客さんに安心していただくことがサービスです。ですから、サービスを通じて信頼関係の構築ができていくのだと思っております。前田 店頭の植え込みにトマトやパイナップルの実と花が咲いていましたが…。尾方 いくらでも実をつけますから、お客様が来られるたびに差し上げています。喜んでいただければ、商品の話よりいい関係ができます。そう思って、やっているわけではないのですが喜んでいただけることがうれしいですから。前田 そのようなことは大手でやっている店は見たことがありません。以前はよく、大型店で、滑り台やボールプールのようなもので遊んでいる子供を見かけましたが。尾方 私どもが先駆けてやりましたが、なんでもやればよいというものではありません。子供さんが怪我をすると事件になって、裁判沙汰になることもあることを理解していなければなりません。前田 販売促進ではどのような工夫をされていますか?尾方 お客さんの口コミが一番大事です。毎日のコミュニケーションをとり店の信用を重視しています。店内のPOP広告も毎日替えるくらいの努力をしています。チラシは、カード会、ショッピング会の共同チラシを活用し、地元の商工会と商店会に参加しています。店頭の看

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