中小企業支援研究vol1
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7中小企業支援研究 別冊 Vol.1いろと工夫をされています。そこで、当社は、高くても品質の良い物に力を入れようということで、自社ブランド(PBブランド)の商品開発に力を入れ、添加物、化学調味料を減らし、コストはかかりますが本物志向の店を目指しました。前田 それを実現するには、相当なご苦労があったのでありませんか。石戸 そうですね、現在では、バイヤーである社員と全国の生産者や団体を回って、当社独自の商品の開発協力や開拓に回っています。独自性を持ったスーパーマーケットを目指しています。前田 社長の前職が海外ブランドのバイヤーのお仕事だったとのことですが、その時の経験が活きているのですね。石戸 そうかもしれませんね。自社ブランド200品目の開拓前田 現在PB商品はどれほどお持ちですか。石戸 約200種類以上のPBブランドがあります。前田 その数の何倍も全国に足を運んで出来上がった商品ということになりますね。石戸 当社は、生鮮三品で売上の50%以上を占めています。鮮度を見ていただければわかりますが、私たちがバイヤー、スタッフと開拓した全国の熱心な生産者様と強いネットワーク、絆で開発した商品ばかりで、自信をもってお客様にお薦めできます。前田 競争力のある商品、自信のある商品はどのようにお店に並ぶのでしょう。石戸 楽しい買い物をしていただく売り場づくりを心がけています。お客様の食卓が食べ物で話題が広がること、食卓が楽しくなることが私たちの目的です。ですから、店づくりでは買い物の楽しさを伝えようと努力し続けています。前田 私たちにわかりやすいビジネスモデルはありますか。石戸 アメリカのドロシーレーン・マーケット(DLM)も一つのモデルとしています。当社とは、ご縁があって個人的にも長いおつきあいをさせていただいています。前田 DLMは、デイトン(オハイオ州)で3店舗経営している顧客密着型、地域密着型の高級スーパーマーケットとして話題になっていますね。ところで、御社の支店はすでに8店舗と伺いましたが、店舗展開のご苦労や展開の秘訣はありますか。石戸 私たちは、個人経営からスタートしていますので、店舗展開では配送ルート作りに注意してきました。3店舗も広げると商品が間に合わない状況です。店舗で起きる不足品の店舗間移動や移転を効率的に行う必要があります。物流拠点が柏と布施店ですので、必然的に出店の範囲もそこで考えています。前田 出店する立地によっては自社内競合が発生することもあるでしょうね。石戸 ありますね。前田 他社との競合はいかがですか。石戸 取り扱い商品の品質にこだわっていますからデパ地下が一番競合していると思います。CVSも少しずつ品質レベルを上げていますので、一部は競合しているかもしれません。前田 近頃のお客様も買う場所が増え、目が肥えてきていますので、商品によっては使い分けをしていることも考えられますね。石戸 それだけに当店のロイヤリストをいかに増やしていけるかが戦略の重要な部分になってくると思います。高品質・高価格ゾーンをポジションに前田 当社のお客様は、実際にどのようなお客様が多いのですか?石戸 あえてターゲットとしているわけではありませんが、高齢者のお客様が多い。意図しているわけではないのですが、長年店について支援してくれているお客様です。私たちもその皆様のための商品開発をしているので、結果として高齢化しているのかもしれませんね。前田 価格帯はいかがですか?石戸 値段は、子育て世代のご家庭では少し高いかもしれません。ですから、50代、60代以上のお客様が中心となります。前田 目標、モデル店のドロシーレーン・マーケットについてもう少し教えてください。

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