中小企業支援研究vol2
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中小企業支援研究 別冊 Vol.26北海道の片田舎でスタートした小規模な化粧品メーカー(株)ローレルが、来年3月にロンドン出店を実現するまでに急速成長を遂げる発展要因を「ヒット商品の開発」「売れる仕組み」「社員のモチベーション」の視点から観てみました。レポートを報告する現時点でも刻々と変化し、新ブランドshiroへの転換、新店舗(ルミネエスト新宿店)のオープン、新業態shiro LIFEの展開等、様々な事柄が進行中です。急激に変化する経済環境の大波を乗り越え、世界を目指す中小企業のご紹介です。社長プロフィール1974年 北海道旭川市生まれ1995年 室蘭文化女子短期大学卒業1995年 ローレル入社2000年 社長に就任し現在に至る社長の今井浩恵氏自然素材に徹する化粧品メーカー「ローレル」北海道から世界を目指すブランドに挑戦はじめに  株式会社ローレルは、北海道の砂川市に誕生した小さな化粧品のメーカーです。 数年前、経済産業省の施策・農商工連携事業の認定に向けた作業で初めて企業訪問の機会を得ました。 北海道らしい雪を頂いた山を背景に一本道を進み、田んぼに囲まれたのどかな景色の中に佇む本社・工場とショールームが在りました。 当時の社員数は全社で60人程度であったと思います。会議に参加している今井社長を始め幹部社員の皆さんが、目標に向かって進むエネルギーとスピード感に「この会社は素晴らしい会社に成長する」と直感し、その成長を確認したいと思いました。 その後数年を経て全国に直営店網を築き、現在はロンドンからスタートし本格的に海外展開を進めようとしている企業に発展しました。 その急速成長の要因は何処にあるのか今井社長に直接お聞きする事としました。◇ ◇ ◇ インタービュー訪問に際して予備知識を得るために、今井社長のブログを読んでおりましたら、次のような一文が掲載されていました。社長を引継いで5年後の頃で、厳しかった混乱期も終え、一段落した時期の心境だったと想像し、転載します。「私が26歳でローレルの社長になったとき、 何も迷わず自分の運命に従った。 出来ない言い訳はたくさんできたはず。 でも、社長になると決めたのは自分。 他の誰でもない、私自身が決断したこと。 一度全てを背負うと腹の底で決めたこと。 揺らぐなんてありえなかった。26歳の若いねえちゃんが借金を背負い、銀行にも罵倒され、辞めていく社員もたくさんいた。 それでも、ローレルを守りたかった。 絶対に自分は出来ると信じぬき、できる方法を いつも考えていた。それは、今も変わらない。」これは厳しい状況の中で、社長就任の覚悟を後に綴ったものです。同時にブログは社員に求めた一文に繋がります。「今のローレルは本当に成長している。 日々、それが肌で感じられる。 スタッフ一人一人が、自分がどうやって 世の中に貢献していこうか本気で考えている。専務や課長を筆頭に、死にものぐるいで、命かけて、ローレルが大好きで、ローレルの成長を支えようと頑張っているスタッフがいる。その人たちに対して、もし仮にやる気のないスタッフがいるなら、とても失礼な話。ローレルでやる気を持てないスタッフは、静かに退場して下さい。  ある経営者が言ったそうです。経営者インタビュー【株式会社ローレル】

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