中小企業支援研究vol3
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中小企業支援研究 別冊 Vol.317澤田 和洋女子大学の健康栄養学類の学生さんと「幅広い世代が一緒に食事出来る蕎麦メニュー」というテーマで新メニュー開発を企画しています。ねらいは、女性・若者・地域連携といった話題性です。新しいお客様を取り込むために、業界だけの狭い視野では限界があります。若い感性の発想を取り入れることが面白いかなと思って仕掛けました。オシャレな雰囲気を楽しむ女性の夜会大柳 最後に、今抱えている経営上の悩みがあれば教えてください。澤田 夜のお客様が少ないことです。当店はどうしても蕎麦屋のイメージが強く、蕎麦屋は早じまいで、夜8時には閉まってしまうと思われているようです。昼以上に夜の売上を伸ばさなければいけないのですが、本当に困っています。そして、飲酒運転問題でお酒の売上が伸びない。どう対処したらよいか、何かいい知恵はありませんか?安藤 このお店は価格がリーズナブルなのに、店構えからどうしても高いというイメージが先行しているようです。お店の持つオシャレな雰囲気を前面に出して、新しい客層の開拓をしたいところですね。澤田 この店の昼の客層は7割が女性ですし、彼女達を夜に誘い出す工夫ですね。蕎麦にこだわらず、肉とか鍋とか、夜会を楽しむ女性をターゲットにした新しいスタイルを検討してみます。地域になくてはならない店になりたい大柳 最後に今後の展望についてお聞かせください。澤田 他の料理店をいろいろ食べ歩きしながら感ずることがあります。その土地ごとになくてはならない店というものがあります。さわ田茶家は八千代になくてはならない店になりたい。ここから文化・芸能を発信しながら「面白い蕎麦屋だな」と思ってもらえる店になりたい。私は、人と人との橋渡し役に徹して、繋げてゆくことが地域おこしになると思ってこの店をやっています。そして、この建物を「国の有形登録文化財へ登録したらどうか?」というお話を受けています。地域の観光資源として利用してもらえればうれしく、東京オリンピックを4年後に控えて、この建物を生かした外国人観光客の取り込み策を検討しています。安藤 今日の澤田社長のお話から、地域の振興には中小企業の力が欠かせないと実感しました。本日は長時間に渡る貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。■会社概要会社名…………有限会社万屋商事住所……………千葉県八千代市萱田町595資本金…………300万円創業……………昭和24年会社設立………昭和46年事業内容………飲食業       さわ田茶家(手打蕎麦・懐石料理)       万屋(そば喫茶去)従業員…………5人■インタビュア:安藤 孝…千葉商科大学客員教授中小企業診断士■インタビュア及び執筆者:大柳 規幸…中小企業診断士(千葉商科大学中小企業診断士養成コース修了)左から安藤、大柳、澤田社長

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