中小企業支援研究vol6
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中小企業支援研究 別冊 Vol.69山田 インターネットでは他に、料理評論家の服部幸應先生の「服部幸應のお取り寄せ はっとりよせ.com」に掲載していただいています。これは、インターネット販売を目的としたものになります。おかげさまで遠方からもお客様に来ていただいております。家族の協力前田 工場では御長男が頑張っておられました。全国では事業承継が問題になっていますが、事業承継についてのお考えをお話しいただけないでしょうか。山田 基本的に事業が儲かっていることが大切と思っています。食えるビジネスになっていれば、継いでもらえます。当社では現在、長男が製造を統括しています。自ら職人として、当社の経営のコアである品質の高い人形焼の製造を行ってくれています。今後はマネジメントも身につけて欲しいと考えております。また、私の家内は販売や経営について応援してくれています。なじみのお客様のなかには家内のファンの方も多く、お店にいないと帰ってしまうお客様もいらっしゃいます。目配り、気配りをして助けてくれています。私自身は全国にご縁をいただいていますので、宣伝役だと思っています。家族の協力で山田家が経営できていますが、私も家内も高齢になってきましたので、若返りを図ることができれば、もっと良いと思っております。商店街の振興について前田 山田社長は東京都の商店街連合会の副理事長も務めておられ、商店街の振興にもご尽力されていらっしゃいますが、錦糸町商店街の状況はいかがでしょうか。山田 錦糸町商店街は約200店あり、全盛期は昭和30~40年代で、当時は物販8割、飲食業2割程度の割合でした。現在は物販1割、飲食業・サービス業が9割に変化しています。また、現在も継続している店は10~20店くらいです。同じ事業で継続しているのは山田家だけになってしまいました。昔は知り合いのお店で買い物して、飲食することが生活に定着している下町文化でした。商店街のイベントとしては、毎年夏に「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」を開催しています。中川 商店街の将来についてはいかがお考えですか。山田 お客様の利便性を考えて、出店した大型店が撤退する場合、同様の他社を誘致しないと撤退できない規制を創ることができないものかと話しています。大型店が出店して、周りの商店が廃業に追い込まれて、その後に大型店自身の都合で撤退することにより、買い物難民を発生させることは非常に問題と考えています。前田 このことは商店街の問題というだけでなく、街づくり全体にかかわって、地域全体で考えていかなければならない大きな問題ですね。中川 お話を伺い、長期にわたり堅実に経営されてこられた点に感銘を受けました。経営の秘訣としては、第一に品質にこだわりがあり、かつ、物語性を加えた商品を販売していること、第二に時代の変化に対応して、味や生産方法、さらに宣伝方法を改善してこられたこと、第三に仕入ネットワークの強みを活かした仕入れやお客様の支援に支えられた販売、自社に有利な出店条件、第四に家族が協力して経営をしていることが挙げられます。本日はどうもありがとうございました。包装紙等の写真は山田家HPより許可を得て掲載しました。http://yamada8.com/■企業概要企業名………株式会社山七食品所在地………東京都墨田区江東橋3-8-11資本金………10,000千円創 立………昭和26年業 種………和菓子製造販売年 商………1.6億円従業員………20名(パート含む)店 舗………本店・支店・売店(2か所)■インタビュア:前田進…千葉商科大学大学院商学研究科客員教授(株)マネジメントコア代表取締役■アシスタント:中川浩一…千葉商科大学経済研究所客員研究員中小企業診断士出典:Tastemade Japanhttps://www.facebook.com/tastemadejp/videos/270765120517913/すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り出典:すみだ錦糸町河内音頭大盆踊りオフィシャルサイト https://www.kinshicho-kawachiondo.jp/製造を統括する後継者

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