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9特 集変化の時代を生き抜くFinTech活用46妨げることなくコミュニケーションを図ることができるようになったことから、業務効率化に繋がるとともに、敬遠しがちな上司への質問や連絡についても気兼ねなくコミュニケーションできるようになっている。 次に「業務のデジタル化」についてだが、当行におけるデジタル化推進の障壁のひとつが「紙」と「印鑑」の慣習である。そのような中で、「業務のデジタル化」の推進にあたっては、システムに代替できるものはシステムを徹底的に活用していくことを基本方針としたが、既存業務をシステムに代替するのではなく、業務プロセスや業務整理をゼロベースで実施し、必要最低限のシステム化を目指している。 具体的には、「店頭店内業務の効率化」や「融資・ローン業務の効率化」等のプロジェクトが進んでおり、最近ではRPA(Robotic Process Automation)活用による業務の自動化や、チャットボットを活用した問合せに対する自動応答等、新しい技術を取り入れながら「業務のデジタル化」を推進するととともに、電子ワークフローを導入し、協議書や報告書等の書類を電子的に回議することで「ペーパレス化」や「印鑑レス化」に取り組んでいる。 最後に、「サービスのデジタル化」についてだが、銀行は、インターネットやスマートフォンの普及、共働き世帯の増加等の社会環境の変化等を背景として、銀行窓口への来店客数の減少という課題を抱えているが、窓口に来店されないお客さまへの対応方法として「サービスのデジタル化」が必要と考えている。当行では、フィンテックを積極的に活用していくとともに、フィンテックベンチャー等の外部事業者との協業や連携によって、その課題解決に努めている。フィンテックへの取組み態勢2 日本でフィンテックが取り上げられるようになったのは2014年頃で、「フィンテック企業・サービス等により銀行が要らなくなる」ということが新聞紙上でも取り上げられるようになってきた。そのような中、当行は、2015年11月に経営企画部内にフィンテック推進のための専担部署として「フィンテック事業化推進室」を立ち上げ、フィンテック活用に対する行内態勢を整備した。また同時期に、従来からTSUBASAプロジェクトの名のもと、様々な共同検討・連携を行ってきた銀行間(千葉銀行・第四銀行(新潟県)・中国銀行(岡山県)・伊予銀行(愛媛県)・東邦銀行(福島県)・北洋銀行(北海道)・北越銀行(新潟県)/2018年4月より加盟)で、フィンテック分野でも協力して検討を行うべく「TSUBASAアライアンス」を立ち上げ、その後、フィンテック関連の調査・研究を共同で行う専門組織として、2016年7月に「T&Iイノベーションセンター株式会社(以下「T&I」)」を設立し、TSUBASAアライアンス行と共同でフィンテックを推進する態勢を構築した。(図2参照)図1:当行のデジタルバンキング戦略

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