view&vision46
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11特 集変化の時代を生き抜くFinTech活用46と共同で取り組むことにより、構築費用を按分しコストメリットを享受している。 私は、T&Iの初期メンバーとして1年間勤務し、現在も兼務の立場にある。フィンテックの分野では、UX(User Experience)やUI(User Interface)を重視したお客さま目線のサービスがフィンテック企業を中心して次々と立ち上がっているが、銀行の中にいると、既存業務の延長線上、つまり銀行員的な発想で物事を考える傾向になってしまう。この点T&Iは、銀行とは別組織となっているため、いい意味で銀行のしがらみを受けることなく自由な発想で活動できる利点がある。また、出身母体が異なる銀行員担当者同士で自由闊達な議論を行うことができるため、非常に刺激的な組織である。オープンAPIにより目指すべき姿4 改正銀行法によって、銀行はオープンAPIに係る体制整備に関する努力義務が課せられることとなったが、当行として、オープンAPIへの対応は重要な検討テーマのひとつであった。 その背景には、急速な技術進展に伴うフィンテックベンチャーの台頭に加え、顧客利便性や顧客満足度向上等を目的として、他社・異業種サービスとの連携により付加価値を見出す動きが金融機関の中でも積極化していることがあった。その一方で、銀行が外部企業と連携し自行サービスを提供する場合や、外部企業から銀行保有データの連携を求められる場合には、セキュリティを確保したうえで、銀行システムと連携するインターフェースが必要となるため、非常に難しい判断を迫られていた。 そのような中で、当行は、インターネットバンキング(以下「IB」)経由で参照系APIを開発していたこともあり、オープンAPIの努力義務の範囲はクリアしている状況ではあったが、オープンAPIの将来を見据えると、IB経由で提供するAPIでは、IBのサービス範囲・枠組みに留まってしまい、柔軟なスピード感をもって様々なエコシステムと連携したサービスを提供していくには不十分であると考えるに至った。 それが、TSUBASA Fintech共通基盤(以下「API共通基盤」)構築に至った理由であり、T&I・TSUBASAアライアンス行と共同で、自営のプラットフォームを構築し、金融分野に限らず、様々な事業者間で価値ある情報連携が可能な生体系(APIエコシステム)の形成を目指すこととしたものである。将来的には、フィンテック企業だけでなく、メーカーやサービス業や地公体等とも連携を行い、お客さまに利便性の高いサービスを提供していきたいと考える。(図4参照)図3:T&Iの業務内容

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