view&vision46
14/54

12特 集変化の時代を生き抜くFinTech活用46API共通基盤5 API共通基盤は、銀行法改正に伴う努力義務化への対応を行うとともに、外部企業との接続によるサービスの多様化や行内開発のスピードアップ・コスト削減を目指すこととしているが、2018年4月に構築が完了し、サービスを開始した。スモールスタートでの稼働開始となったが、主な特長は以下の5点で、順次機能を拡張していく計画である。(図5参照) まず1点目は、フィンテック企業等のサービスと連携するだけでなく、当行自身がアプリケーションの構築を可能とする「サービスコンテンツ基盤」を保有していることにある。今後、デジタル通帳(通帳レス化)やバンキングアプリ等を「サービスコンテンツ基盤」上で構築し提供していきたいと考えている。 2点目は、キャッシュカードをお持ちのお客さまであれば契約手続きが不要で、サービス連携にあたって必要となるIDを発行し、ID管理や認証・認可手続きを行う「外部API基盤」を実装していることにある。このIDは「ちばぎんID」と呼んでおり、今後、「ちばぎんID」と様々なサービス連携を予定している。また現在のID発行は、個人のお客さまが対象となっているが、将来的には法人のお客さまにもID発行を行い、法人のお客さまのニーズにも対応していきたいと考えている。 3点目は、銀行口座の取引明細や会計データやアクセスログ等のデータを保管・分析したり、商品・サービスの開発を可能とする「新サービス基盤」を保有していることにある。銀行機能を細分化(アンバンドリング)し、利用者視点や外部サービス等と再結合(リバンドリング)して、新たなサービスを展開する際に活用していくことができると考えている。 4点目は、API共通基盤と銀行システムを連携する際に、銀行側に「内部API」を構築したことにある。銀行システムは、堅牢なセキュリティを担保しながら、銀行内の様々なシステムと連携(密結合)4しており、新規開発時は、個々のシステムへの影響を考慮する必要がある。このため、テストや開発工数が膨らみがちになる傾向があるが、スピーディな開発を実現するため、既に銀行システムで保有している機能を部品化(細分化)し、API共通基盤との応答を可能とする「内部API」を開発した。これにより、取引拡張にも柔軟に図4:オープンAPIによる目指す姿4 海外金融機関のシステムは、システム間の連携が緩やかで個々のシステムの独立性が強い疎結合であるがゆえに、フィンテック投資が図られ、日本に比べるとフィンテックの動きが活性化していると言われている。

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る