view&vision46
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13特 集変化の時代を生き抜くFinTech活用46対応できると考えている。 そして5点目は、TSUBASAアライアンス行だけでなく、幅広い金融機関にご利用いただけるプラットフォームとなっていることである。当行は、埼玉県が営業基盤の武蔵野銀行と「千葉・武蔵野アライアンス5」の名称で、業務・資本提携を行っているが、2018年3月に当行・T&I・武蔵野銀行の3社間で「API活用に関する業務提携」を締結し、TSUBASAアライアンス行以外でAPI共通基盤と連携する初めてのケースとなった。API共通基盤を活用したユースケース6 2018年4月の稼働時は、2つの外部サービスと連携した。 ひとつは、マネーフォワード社が提供する家計簿アプリで、お客さまはIBのパスワード等をマネーフォワード社(第三者)に預けることなく、安全に家計簿アプリを利用することができるようになった。また、API連携を契機として住宅ローン残高等の新たな銀行保有情報を提供する開発を行ったため、家計簿アプリ上で銀行口座全体の管理ができるようになった。 マネーフォワード社とのAPI連携は、当行にとっても大きなメリットがある。当行を含む地方銀行の多くは、大手ITベンダーが運営するIB共同センターを利用しており、取引明細等の提供には従量料金は発生している。これが、自営のAPI共通基盤経由での情報提供をできるようになったため、従量料金の削減につながり、削減分を新たな投資へ振り向けることが可能となった。今後、Zaimやマネーツリー等の家計簿アプリや、会計ソフトベンダーとの連携も行っていく計画である。 もうひとつは、ネストエッグ社が提供する自動貯金サービス「nbee(フィンビー)」である。「nbee」は、旅行貯金・家族貯金といった貯金目的、つみたて貯金・歩数貯金等の貯金ルールをあらかじめ設定し、設定したルールに基づき貯蓄ができるサービスであり、日本初の更新系APIサービスとしても注目されている。利用者の75%は40代未満であるため、平日、当行からのアプローチが難しい層との接点を図ることができている。 また当行が、お客さまの貯蓄目的を把握することができるのは、積立預金等の口座開設時に限られていた図5:API共通基盤の全体像5 互いの自主独立を堅持しながら、お客さま利便性向上や地域社会の更なる発展への貢献を目指していく、合併や経営統合によらない新たな地銀連携モデル。

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