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3246還元できるサイクルが出来上がっており、これは離職率の低下とも繋がっている。■移動コスト他社比4分の1他社コスト2,000円/1件 ANZコスト500円/1件 また、以下の通り、繁忙時間に人材を集中させることによるコスト削減にも成功している。■時間帯による注文率の偏り20-22時=20% ・22-0時=40% ・0-2時=30%・ 2-4時=10% こうした状況にうまく沿うように、専属施術者(フル出勤)と副業施術者(スポット出勤)を配備し、それぞれの施術者において拘束時間当たりの収入が満足のいくものとなるように配分できる工夫を凝らした。これについても現状フィードバックとし、高い満足度が継続して発現している取り組みである。(2)現場におけるインバウンド対応への取り組み インバウンド対応への取り組みについて記したい。 ご存じの通り、昨年度のインバウンド需要は記録開始以来最高の伸び率、そして人数到達を見せ、折しも2020東京オリンピックの開催に向けて、弊社にとっても益々の伸びが期待できる顧客層である。■弊社のインバウンド顧客層の実態(全体の10%)渡航元:アジア6 対 欧米4 数年前と比較すると確実にその占める割合が増加しているインバウンド層だが、現場において最も不安視されることは、やはり言葉の壁という事になるのではないかと思われる。また、これは特にタイなどのアジア系の顧客層に顕著にみられる傾向だが、訪問型整体において「セクシャルなサービスである」という偏見を持つ層が一定数存在することも見逃せない要素だと把握している。こうした障壁を踏まえたうえで、現場として、また社としても確実な実態の把握に努めると同時に、その対策に数年来力を入れてきた。 弊社では2013年当初から、BtoBレベルでの英語でのメニュー配布、推進・浸透への取り組みを開始しており、多数の提携先様の協力によりBtoCレベルへの落とし込みが、すでに半数以上へと達した状態で、インバウンド元年と言われた年を迎えることができた。 結果として、現在までのインバウンド顧客の大幅増に繋がったと考えている。2015年からは、それに加えて、中国語、ハングルのメニューも作成し、様々な形での浸透に努めている。 弊社をご利用いただいているインバウンド顧客の3割強において、簡単な挨拶程度の英語すら理解できない、読むことも話すこともできない、という現状を把握するにつけ、現場レベルでハングル、中国語、さらにスペイン語、トルコ語に至るまでインバウンドに合わせた挨拶、会計時の対応をしなければならないのか、ということになると、これはいかにも現実的ではない。弊社スタッフの育成フェイズとして、まずグランドデザインを「おもてなしの心」とし、受け身ではなく、顧客ニーズを積極的に掬い上げ、寄り添う形での対応ができるいくつものケーススタディ、それに向けての実践、情報収集、その積み重ねによる現場へのフィードバックを常に継続しているところである。中でも特に有効であったのは、・ 携帯、タブレット端末言語翻訳アプリの有効活用であった。畢竟、インバウンド顧客の満足度を上げていくのに必要なのは言語能力ではないと考える。 以上の事について、全体・個別ミーティングを重ねる中で、徐々にスタッフ間全体に浸透し、良好なフィードバックの例も出始めていると認識している。(3)現場におけるイメージ戦略の取り組み 弊社においても、対内・外を問わず、イメージ戦略には創業当初から試行錯誤を重ね、注力してきた。 筆者からの発信としては、本社中枢部、営業担当社員、そして現場担当社員、ご契約頂いている委託先様に至るまで、常に「ビジョン、ミッションの共有」「ステークホルダー・ダイアログの機会模索と実践、エンゲージメント」、これらの共有とフィードバックのサイクルの流れを止めることがないよう努め、ある意味、経営の上で筆者が最も意識して行ってきたことである。 その理由は、やはり夜間、整体・アロマセラピーという接客業を行う現場と、そのオペレーションにおいて、すべてのスタッフのモチベーションの維持にも密接につながる部分であり、それを成しうるのは社長である筆者からの明確な根拠を持った発信であるという強い信念からであった。次に具体的なビジョン、ミッションに対しての現場レベルでの取り組みについて記したい。

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