view&vision46
51/54

4946 ここ数年、囲碁AI「AlphaGo」や自動運転、無人コンビニ、銀行コールセンターのAI化など、「人工知能が人間の仕事を代替する」ニュースが世間を巡っています。グローバルでAI開発競争が急速に進み、仕事や働き方が変わることは「将来起こるかもしれないこと」でなく「今すでに起きていること」だということです。 なぜ今、人工知能がこれほどまで話題になっているかというと、コンピュータの処理能力や処理容量が進化したことやインターネットが発達し様々なモノがインターネットと接続したこと、データ通信の速度の高速化といった基本的なIT技術の進化による影響が大きく、世界中の多くの人がインターネットにアクセスすることができるようになり、大量の情報がデータ化され、コンピュータリソースを使う数理モデルが現実世界で活用できるようになったことで、ビッグデータや人工知能の実用化が到来しているのです。 このような大きな畝りが教育、金融、会計領域にどう影響するのでしょうか。教育では、例えば「資格を取りたい」というニーズはAIが大量の知識を的確に情報整理し抽出することを得意としているので、知識蓄積型の「資格」はAIが代替できるため仕事自体がなくなる可能性があります。逆に、複数人でクリエイティブな作業、かつその参加者の知識やスキルが複数の領域に跨るようなものはAIが代替することは難しいでしょう。 同様に会計においても知識蓄積型の資格についてはAIの得意領域ですので、人は必要な知識から「現状を理解し未来を創造する」役割へ変わっていくと考えられます。金融でもすでに株式市場の売買にAIが活用されており、人の役割は「消費者ごとのカスタマイズ」や「新しい商品造成」といったクリエイティブな領域に取り組む方向に進むと考えられます。 人はよりクリエイティブに、消費者に対してカスタマイズする、新しい商品を創造する役割を担うようになると考えます。事業レポート2018年1月24日第15回 ユニバーシティ・レクチャーなぜ今、人工知能なのか? なぜ今、ビッグデータなのか?教育・会計への影響は?株式会社FUTUREWOODS 取締役兼CAO萩原 静厳HAGIWARA Seigenプロフィール2005年東京工業大学大学院情報環境学専攻修了後、株式会社リクルート(現リクルートホールディングス)入社。Webサービスの企画を経て、ビッグデータ/AIの各種プロジェクトにPMとして従事。2014年よりリクルートマーケティングパートナーズにてビッグデータエバンジェリストとして、2015年よりリクルート次世代教育研究院にて主席研究員を兼務し、各種企業間連携や産学官連携を推進。2016年より株式会社FUTUREWOODS取締役兼CAOに就き(兼任)、データ解析コンサルティングおよびデータマネジメントサービス等、ビッグデータ/AI関連事業を受け持つ。(現任)2018年より株式会社トレタにてデータビジネス創造およびデータによる企業間連携/産学官連携を推進。(現任)【主領域】ビッグデータ、人工知能(AI)、新規事業、デジタルマーケティング、先端テクノロジー

元のページ  ../index.html#51

このブックを見る