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847特 集SDGS最前線⑵SDGsの構造 「5つのP」で理解するSDGsは、2016年1月から発効した持続可能性に関する国際ルールの集大成と言えるものである。早急にSDGsを使いこなすべきだ。そのためにはその構造と心を理解する必要がある。SDGsは5つのPで示す分野をカバーしており、17目標をあてはめると次のように捉えることができる(図表4)。・People(人間):世界の貧困をなくすために、目標1(貧困)目標2(飢餓)目標3(保健)目標4(教育)目標5(ジェンダー)目標6(水・衛生)等。・Prosperity(繁栄):続く経済をつくるために、目標7(エネルギー)目標8(成長・雇用)目標9(イノベーション)目標10(不平等)目標11(持続可能な都市)等。・Planet(地球):環境を守り育てるために、目標12(持続可能な生産と消費)目標13(気候変動)目標14(海洋資源)目標15(陸上資源)等。・Peace(平和):SDGsを実現する仕組みのために、目標16(平和)。・Partnership(協働):SDGsを実現する協力関係のために、目標17(実施手段)。⑶SDGsの原則SDGsには、①普遍性、②包摂性、③参画型、④統合性、⑤透明性と説明責任という5つの基本がある。つまり、他にも応用が効くという「普遍性」、関係者を結集し多様な場所での活用や幅広い業界での導入という意味で「参画型」、経済・社会・環境の3要素を含める「統合性」、社会のすべての人に配慮を払う、誰一人取り残さない「包摂性」、さらに製品・サービスを広く伝える努力をしている意味での「透明性と説明責任」である。それらの5項目をすべて網羅すればプラクティスの水平展開が図られるのである。企業経営に有用なSDGsであるが、その認知度が日本で向上しないのはなぜであろうか。その要因の一つはSDGsの訳語かもしれない。SDGsは先進国、途上国を含む普遍性が特色であるが、「Development」が「開発」と訳されているため途上国を想起させる。「開発」よりも「発展」と訳すほうが先進国にも適用されやすい。図表4 5つのPで理解するSDGs

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