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1147特 集SDGS最前線資金課PDF)の22ページに「(3)ESGとSDGsの関係② 笹谷秀光氏(伊藤園顧問)による相関整理 」として「笹谷マトリックスモデル」が紹介された(図表8)。今後のESG/SDGsに関する議論に役立っていけば幸いである。2018年版の統合報告などでこのマトリックスを採用して整理する企業が増えている。経済産業省のサイトはこちらhttp://www.meti.go.jp/shingikai/economy/sdgs_esg/001.htmlSDGsは企業にとってのチャンスである一方、リスク回避にも使えるリストである。この両面で競争優位が実現して社会課題解決のリスク回避にもなっていく。これにより、経済価値と社会価値の同時実現を目指すCSVをSDGsによりバージョンアップしていくのがSDGs経営の要諦である。図表8 ESGとSDGsの関係(笹谷マトリックス)「SDGs経営」元年5⑴SDGsアクションプラン2019昨年12月にはポーランドで開催された国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)は、温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の実施指針を採択した。パリ協定では、すべての国が温室効果ガスの削減目標を国連に提出することが義務づけられ、各国は自主的に目標を定めるが、今回の会議で実施指針が定められた意義は大きい。これにより2020年以降の温暖化防止に向けた協定運用のルールが固まった。米国の動きなど、今後様々な課題はあるものの、各国は対策に動き出すことになる。余談だが、筆者が環境省出向中の2006年にCOP11(モントリオール会合)交渉に環境省大臣官房審議官として参画した。当時の小池百合子環境大臣を暖房をしていない会議場でお迎えし、ちょうど当時はロシアが加盟して京都議定書が発効した会議だった。新年を迎え、ますますSDGsが重要となり、今年は「SDGs経営」元年となるだろう。昨年12月末に政府のSDGs推進本部から「SDGsアクションプラン2019」が発表され、「SDGs経営」というキーワードが盛り込まれた。日本がSDGsの推進を通じて、①創業や雇用創出を実現する②少子高齢化やグローバル化の中で豊かで活力ある未来像を描く③それをSDGsジャパンモデルとして世界に先駆けて示す  という点が要点だ。

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