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1547特 集SDGS最前線 SDGs(持続可能な開発目標)は企業の社会的な価値を高め、経営を長続きさせる効果があると思っている。国連が決めた世界目標だが、企業人には日常の仕事に置き換えて読んでほしい。PRやビジネスのヒントがつまっているはずだ。 2018年11月29日、千葉商科大学で開催した「第1回わが社のSDGs勉強会」(千葉商科大学・日刊工業新聞社の主催)で司会を務めた縁もあり、この原稿の執筆を引き受けた。それにしても勉強会の会場は熱気があった。約130人の聴講者から質問が途切れなかった。地域の企業の方、中小企業の経営指導の方が多かったと記憶している。SDGsへの関心の高さを肌で感じた。(こちらの進行がまずく、すべての質問に対応できずに申し訳ありませんでした) この原稿では過去に取材して「おもしろかった」と感じたSDGsの取組みを紹介する。私はコンサルタントではないので「こうしない」と指摘はできない。研究者でもないので記事に科学的証拠もない。専門家から「違う」とツッコまれると思うが、個人の感想として大目に見てほしい。SDGsは2030年の未来像1 本題に入る前に、まずはSDGsについて。持続可能な開発目標=Sustainable Development Goalsの略称がSDGs(エス・デー・ジーズ)。2015年9月25日、国連総会が採択した2016~2030年の世界共通の目標だ。 政府関係者、市民代表、研究者が数年をかけて「今の世界の課題は何か」を議論し、その課題解決を2030年までの目標としてまとめ上げた。このためSDGsは「2030年をこういう世界にしたい」という“未来像”を描いたという言い方もできる。 SDGsには17つの目標と169のターゲットがある。目標は「1 貧困をなくそう」「2 飢餓をゼロに」など。SDGsに詳しくなくても、目標別のカラフルなアイコンを目にした人が多いと思う。ターゲットは目標達成への具体的な内容が書かれている。(この項では目標は国連広報センターの日本語訳を使用)。そして、私が考える「企業のSDGs活用法」は◎社会課題解決企業としての情報発信の強化↓◎社会からの高評価(取引先からの信頼、人材獲得など)↓◎長続きする企業に市場で障害者が魚箱をプラスチック材料に再生2 ここから社会福祉法人の取組み事例を紹介するが、企業に置き換えて読んでほしい。 2018年9月21日午後、取材のため川崎市宮前区の中央卸売市場北部市場を訪ねると、場内にある小さな取材経験から経営を長続きさせるSDGsの活用法を考える日刊工業新聞社 編集局記者松木 喬MATSUKI Takashiプロフィール2002年 日刊工業新聞社入社2009年 環境・CSR・エネルギー分野を取材環境経営の本『エコリーディングカンパニー 東芝の挑戦』(日刊工業新聞)、『SDGs経営- “社会課題解決”が企業を成長させる』(日刊工業新聞)執筆1976年生まれ、新潟県出身特 集SDGs最前線

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