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3147特 集SDGS最前線「住み慣れた地域で安心して暮らすために」知っておきたい相談窓口である「地域包括支援センター(以下、地域包括)と消費生活センター」の周知を図ることに加え、当センターと地域包括の連携強化を目指し、共催講座「めざせ!スマイル生活」を開催している。2017年度は地域包括担当エリア内の公民館を会場とし、4つの地域包括と各1回ずつ、1時間の講座を計4回開催した結果、114人の市民が参加した。2018年度は市庁舎が入るショッピングモールのイベント広場において、ランチタイムの30分間、4地域包括と合同で2回の講座を開催(5月と11月)し、94人の参加を得た。この講座は、木更津市から委嘱された「消費者教育サポーター」が中心となり開催されている。2017年度からサポーターに加わった読み聞かせボランティア団体「空とぶくじら」のメンバーを中心に人形劇や紙芝居、リトミックなど「楽しみながら役立つ講座」となるよう工夫がされている。「楽しく伝える」ノウハウを持つ既存の団体との連携が、さらに次の連携を生んだモデルケースといえる。●人権部局との連携による教材作成SDGsは市の様々な業務とも関係することは先に述べたが、小中学生対象のSDGs教材作成時にはアクティブ・ラーニング用のアイコンシールを人権啓発用品として作成した。人権部局と消費生活センターのコラボレーションもSDGsの目標17からの発想といえよう。現在、同様の試みを緑化推進事業とのコラボレーションで行う準備が進んでいる。SDGs の取り組みとその変化~連携の構築~4当センターでは相談員と職員が知恵を出し合い、SDGsを「ものさし」としたプロジェクトを推進してきた。SDGsの「誰一人取り残さない」という理念を念頭に「すべての課題はつながっている」という普遍性・不可分性・包摂性を意識しながら、今まで行っていた業務をSDGsにリンクさせていく作業を行った結果、様々な好循環が生まれ、さらにSDGsを推進する環境が生じている。当初、消費生活センターだけでは解決できない相談(特に高齢者の消費者被害等)への対応のために、他機関との連携・地域のネットワークが必要であると考えていた。課題の共有による他部署他機関との連携として地域包括との共催講座を紹介したが、この講座を通じて、当センターと地域包括との連携が大きく進んでいる。これまで地域包括が消費者被害と認識していなかった問題が実は消費者被害であるという理解が得られ、消費生活センターに相談が寄せられるようになった。消費生活センターの助言を受け、地域包括が利用者に寄り添って諸手続きを補助するという流れができあがることで、互いに“連携して問題を解決できる”という意識が醸成されてきている。何よりも、会えば笑顔で挨拶が交わせるという“顔の見える関係”が構築されたことは、木更津市が目指す「オーガニックなまちづくり」にも大きく貢献するものと考える。さらに、この関係を持続させる試みとして、当センターでは、2019年度中に地域包括及び介護事業所等の関連機関とのネットワークを整え、消費者被害情報の共有が容易になるような体制を作る準備を進めている。共催講座開催に際しては、地域包括だけではなく市の自立支援課、高齢者福祉課等とのつながりも構築され、木更津商工会議所医療・福祉・教育部会、木更津市社会福祉協議会など様々な機関との関係も築けた。地域の実情に根差したこのような自然発生的なつながりこそが、今後の地方消費者行政の課題解決の糸口になるのではないだろうか。さらに、SDGsへの取り組みは、想定しなかった様々な団体との関係構築にもつながっている。2018年5月に行われた「消費者フォーラムin千葉」においては、当センターの取組事例発表を行う機会を得た。11発表をきっかけにSDGsをテーマにした「第23回エコメッセ2018 inちば」に参加する機会を得たことで、さら11 千葉県HP平成30年度消費者フォーラムin千葉開催結果 https://www.pref.chiba.lg.jp/seikouan/event/2018/h30forum-kekka.html

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