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6647もあり、この10年ほどの採用者数は従前より増加傾向にあり、教員採用選考試験の競争率も減少傾向にある。(図2)また、「官民反比例の法則」とも呼ばれるように、民間企業の採用が好調な場合は教員採用選考試験の競争率は減少する傾向にあり、大学生の「売り手市場」と呼ばれる近年の状況は、教員志望者数に大きく影響を与えている。正規の教員には比較的採用されやすくなっているものの、講師(常勤または非常勤)の成り手がいない。これが「教員が不足している」と言われる所以である。一方で、教員が生徒や保護者、社会等から求められるものは年々大きくなっている。中央教育審議会から優れた教員の条件として、教職に対する強い情熱、教育の専門家としての確かな力量、総合的な人間力が求められているだけでなく、実際の教育現場では授業の実施とその準備、学級運営、生徒指導、進路指導、校務分掌、部活動、保護者対応など多岐に渡る仕事を全うしなければならい。そのため、教員養成においては「即戦力」となる、実践的指導力のある教員の輩出が急務となっている。図2 公立学校教員採用選考試験の実施状況(高等学校のみ)出典:文部科学省、「公立学校教員採用選考試験の実施状況」、最終閲覧日2019年1月13日、(2003〜2017年度データを基に筆者が作成)【…2.本学における教職課程の実績…】①卒業生教員数これまで本学では、商業科、外国語科(英語)、情報科、公民科注の教員を多数輩出してきた。特に商業科教員については毎年10名前後を輩出しており、本学卒業生教員の研究会である「千葉商科大学教育研究会」に400名以上登録していることから、未登録者数も含めた現役教員は500名前後に上ると予測されている。全国で約9,600名の教員が教科商業科の免許状(専修または1種)を所持していることから、約5%が本学卒業生教員であり、全国的に見ても大きな割合を占めていることがわかる。また、本学卒業後に科目履修生等を経て小学校教員免許を取得し、小学校で教鞭を取るものも一定数存在する。②教員採用選考試験合格者数の推移教員採用選考試験における本学関係者のトレンドについて、ここ数年で著しく変化が起きている。その変化とは、次の通りである。(図3)・1次選考合格者が、大学4年生、卒業後3年以内の講師を中心に20名前後に増加。・2次選考合格者が10人以上に増加。・大学4年生の2次選考合格者をコンスタントに輩出。・私学の教員採用選考試験を受験、合格する大学4年生をコンスタントに輩出。(図3には未記載)全国の2018年度商業科教員採用者172名(2018年度高等学校産業教育担当指導主事連絡協議会聴取資料より)のうち11名(6.4%)が本学関係者だが、そのうち7名が卒業3年以内の講師(卒業1年目:4名、2年目:2名、3年目:1名)で占められていた。「卒業1年目の講師」というカテゴリーが最も合格者が多いという特徴が出ているが、これは偶然ではなく、本学教員養成システムが大きく変わった学年(2012年度入学生)であることが大きく関係していると考えられる。事実、この学年は大学4年生時に6名が1次試験に合格、うち3名が2次試験に合格している。

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