cuc_V&V_第52号
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15521冊に減らした。これは、2021年度の遠隔講義がオンデマンドとなったことに伴い、まとまった講義時間を取りにくい受講生が存在することを考慮したためである。座学による講義構成5音声ファイルと講義資料を用いた座学は、第1回から第12回までは次のとおりである。第5回までは、環境問題の概念を中心に講義した。第6回から第12回までは、具体例を用いて講義した。いずれも「倫理」と「環境」の定義を踏まえ、その理解と定着を狙った。① ガイダンス:シラバスを踏まえて講義の狙いを説明し、クリッカーワークや課題作業、第13回講義でのレポートについて、書き方を説明した。② 文明と環境:現代が産業革命から続く「炭素文明」であることを説明し、古代の文明から常に環境破壊が社会にとって大きな問題となってきたことを解説した。③ 「環境問題」とは何か:現代の日本において、主たる「環境問題」とされているのが、地球温暖化、廃棄物、生物多様性、化学物質汚染、大気汚染、放射能汚染であることを説明した。④ 環境問題はどのように発生するのか:環境問題が、主に経済活動との摩擦で発生し、利益を得る者と影響を被る者が異なる外部不経済を解説した。⑤ 誰が環境問題を発生させているのか:環境問題には、直接原因者と間接原因者が存在し、受講生を含むほとんどの人々が、少なくとも間接原因者であることを解説した。⑥ 公害:水俣病を中心に四大公害を説明し、政府・企業の経済優先の方針によって発生した一方で、多くの人々が健康被害や差別に苦しめられ続けたことを解説した。⑦ 廃棄物:近年に至るまで、廃棄物問題が多くの地域で大きな問題となってきたことを説明し、市民が市民に被害を与える構図とそれらを防止するはずの政治・行政の問題を解説した。⑧ 開発:川辺川ダム問題を例に公共事業等による開発問題を説明し、経済成長の原動力となった一方、自然環境を損ない、両者を調整する政策の不備が長らく存在してきたことを解説した。⑨ エネルギー:化石・原子力エネルギーによる環境破壊の事例を説明する一方、再生可能エネルギーの普及と設置をめぐるトラブルについて解説した。⑩ 千葉商科大学:環境問題に対する本学の考え方と取り組みを紹介し、教職員と学生が一体となって「自然エネルギー100%大学」を実現したと説明した。⑪ 主権者としての環境と倫理(前半):SDGsの第1項目から第9項目までのそれぞれについて、環境問題に関係づけて説明し、主権者としての視点が重要と解説した。⑫ 主権者としての環境と倫理(後半):SDGsの第10項目から第17項目までのそれぞれについて、環境問題に関係づけて説明し、主権者としての視点が重要と解説した。クリッカーワークによる講義構成6クリッカーワークによる思考・発言は、第2回から第12回まで次のとおりである。第1回は、ポータルサイトのクリッカー機能の練習とした。設問は、いずれも「正しい答え」がないものとし、選択の理由を「論理的」に説明することを求めた。選択肢の中には、あえて倫理的な疑問を含め、いずれを選んでも減点とはせず、評価は説明の論理性のみに依拠した。① 回答方法の練習② これから、現代の炭素文明はどのようになっていくと考えますか?ⅰ. これからも炭素文明は、大きく変化することなく、数百年先まで続く。ⅱ. 江戸時代のような、産業革命前の昔の暮らし・社会に戻っていく。ⅲ. 再生可能エネルギーを基盤とする、新た特 集CUCの倫理教育

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