cuc_V&V_第53号
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253本誌51号(2021年3月31日発行)では、経済学において標準的な分析方法の1つとされているモデル分析が、社会科学の他の分野でどのように扱われているかを紹介した。本特集では、その続編として、データ分析という方法が社会科学の諸分野でどのように展開されているかを、各分野の研究者に解説してもらう。1本目は、経済学におけるデータ分析の事例を紹介している。経済学は人々がどのような意思決定を行い、その結果としてどのような資源配分が実現するのかを研究するが、一定の仮定のもとで導き出される理論的な結論が実際の経済現象に当てはまるかどうかは、データを用いて検証する必要がある。例えば、経済学の教科書では、最低賃金の引き上げによって失業者が増加するとされている。これは、最低賃金が引き上げられれば、企業にとっては人件費の増加につながり、雇用を抑制することになると考えられるからである。この仮説を検証する方法としては、実特 集社会科学におけるデータ分析

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