cuc_V&V_第53号
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4753キャラクタービジネスの相乗効果株式会社トキワ 代表取締役萩原 重睦HAGIWARA Shigemutsuプロフィール昭和53年3月 千葉商科大学 商経学部経営学科 卒業昭和53年4月 常盤雨衣株式会社(現:株式会社トキワ) 入社平成 2年9月 株式会社トキワ 第3代 代表取締役 就任平成16年6月 日本雨衣連合会 会長 就任平成22年7月 日赤紺綬有功会 副会長 就任平成27年4月 CUC経営者会議 副会長 就任平成28年2月 日本赤十字社 代議員 就任現在に至るはじめに一般的に企業や学校、都道府県やスポーツ団体の集団の象徴、シンボル、アイデンティティを表現したものとされる「マスコット」、「マスコットキャラクター」、「キャラクター」、「ゆるキャラ」。中でも「ゆるキャラ」の場合は「郷土愛に満ちあふれた強いメッセージ性があること」など、一定の定義づけがあるとされるが、大きな意味で「マスコットキャラクター」として括り、ここではそれら全てを同義語として「キャラクター」と称することにする。そして、それらのキャラクターを活用し利益を得る「キャラクタービジネス」は、我が国において1兆5,000~6,000億円市場とされるが、この10年間その変動はあまりない。それはその市場の中で、「パイの奪い合い」が行われているからである。かつて企業(メーカー)が自社のオリジナル商品に認知度の高いキャラクターを付ければ売れた時代もあった。しかしモノ余りで多品種が氾濫する現代では、まず商品そのものが消費者のニ-ズに応えたもので、さらに企業の「こだわり」が反映され、差異性に富んだものでないと売れない。このような独自性のある商品にキャラクターの付加価値を付けることが重要で、そのキャラクターの認知度が高ければなおさらである。2年前、創業89年を経過していた弊社にサンリオ社からありがたいオファーをもらい「ライセンス契約」を締結した。それは弊社の長い歴史の中でも、初めてキャラクターとコラボレーション(以下コラボ)をした契約だった。しかも、そのキャラクターが世界的認知度の高いビッグキャラクター「ハローキティ」だったことは、弊社の「キャラクタービジネス」にとって売上のみならず「社会的信用」という相乗効果があった。サンリオ社との出会い弊社は、3年程前より年間4~5回のサイクルで各種展示会に出展をしていたが、2019年2月に介護系の展示会に出展した。展示会の出展効果とは、思いがけない業界から声が掛り取引へと進展していくことである。この介護業界は弊社にとってすでに売上実績のある業界で、利用者のお宅へ訪問サービスをするホームヘルパー、特に首都圏で活動するヘルパーは、その移動手段に自転車を利用する。そのため、雨の日の自転車用レインコートは必需品で、弊社の開発した自転車用レインコートは現在でも多くのヘルパ-に使われている。その弊社が出展した介護系の展示会へ視察に訪れていたのがサンリオ社だった。かつてキャラクターは、シニア世代には入りづらいという観念から、看護業界や介護業界はキャラクタービジネスからするといわば手つかずの業界だった。しかし、看護師が指定のない制服や身の回りの医療品にキャラクターを付け始めたことから、看護業界との繋がりを持ったサンリオ社は、高齢化社会の日本にあっ

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