cuc_V&V_第53号
50/56

4853て看護業界と同様に介護業界も将来性大と、この介護系の展示会に足を運んだという。そこに出展していた弊社は、デジタルサイネージにて弊社のこだわりである「完全防水への追求」映像を流していた。「完全防水のモノづくり」は弊社の長年のこだわりで、弊社の製品に使用されている生地は一般的な「傘」に使われる生地の20倍以上の防水性があり、さらに縫製部分(ミシンの針穴)からも雨水が中に浸水しないようミシン目には裏面から防水テープで目止め加工を施している。弊社の製品がいかに防水性にこだわっているかご理解いただけるかと思う。公式試験場での生地の耐水度試験(防水試験)の様子や縫製工場で防水テープを目止め加工する工程を動画で制作し、弊社のこだわりを映像としてサイネージを使用しこの展示会場で流していた。そこに目を止めていただいたのがサンリオ社だった。来場されたサンリオ社の担当者は早速社内へ持ち帰り報告、改めて弊社のホームページ上でも同じように紹介されている「完全防水3つのこだわり」動画を見て弊社へのオファーに至ったという。前述の「企業のこだわりが反映された商品にキャラクターの付加価値を付ける」という現在のキャラクタービジネスに求められていることに双方の思いが一致、サンリオ社の抱えるキャラクターと弊社のブランド「雨先案内人(あめさきあんないにん)」がコラボするライセンス契約が締結されたのである。株式会社 サンリオ とはここで2020年に創業60周年を迎えたサンリオ社について説明しておきたい。現会長の創業者・辻 信太郎氏は第二次世界大戦の空襲を故郷の山梨県甲府市で体験している。その悲惨な戦争の目撃体験から、この世から戦争をなくしたい、「みんな仲良く」を理念に贈り物をして喜んでもらいたい、という思いからサンリオ社の前身「山梨シルクセンター」の社名で「ギフトビジネス」を始めたことがルーツだった。みんなが仲良くなるためにはちょっとした贈り物が必要、スモールギフトでビッグスマイル、小さなギフトでみんな仲良く。そして、後にそのギフトには付加価値が必要であると「キャラクター」を開発していく。つまり、サンリオ社はキャラクターの会社と思われがちだが、実はギフト屋さんなのである。現在でもサンリオ直営ショップを敢えて「サンリオギフトゲート」と称する由来である。一方、キャラクターについては、戦後の不況も収拾し街にものがあふれ人々が物質的満足感を享受しはじめた時代に、車やカメラに人々の熱い視線が注がれる中、ダッコちゃんやバービー人形が一世を風靡した。山梨シルクセンターは、その名の通り創業当初は山梨県の物産である絹製品を販売していたが、その後、雑貨販売業に転じ花柄を付けたゴム草履で成功をおさめる。きれいでかわいいイラストを付けることで売れ行きが大きく伸びることを知った創業者の辻 信太郎氏は、これからの世の中は、実用品だけではなく毎日の生活に余暇や遊び心を与える商品を求めるようになると考え、「かわいくて」、「人に感動させる」サービスを提供しようと考えた。この理念から、こんにちでは400を超えるキャラクターを次々に生み出した。サンリオ社の歴史とは、「かわいい文化」の歴史ともいえよう。そのサンリオ社には、現在大きく分けて4つのビジネスがある。① 直営店でオリジナル商品を販売する「物販事業」。② 400を超えるオリジナルキャラクターを貸し出し、そのロイヤリティを収益とする「ライセンス事業」。③ 各企業や団体がPR活動を行う際、サンリオキャラクターをタレントに仕立て、その使用料を収益とする「広告宣伝事業」。これは現在「みずほ銀行」、「日本赤十字社」や「JR西日本」などに見られる。④ 自社のテーマパーク「ピューロランド」、「ハーモニーランド」の運営を手がける「エンターテインメント事業」。この中の②の「ライセンス事業」こそ弊社がコラボした事業で、弊社はサンリオ社の持つキャラクターを弊社の製品に付け、定められたロイヤリティをサンリオ社に支払うという取引関係である。サンリオ社はこ

元のページ  ../index.html#50

このブックを見る