cuc_V&V_第53号
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5053つまり「企業のこだわりが反映された商品にキャラクターの付加価値を付ける」ということに加え、さらに重要な要素として「そのキャラクターが持つファン層に支持されなければならない」ということが、物販のキャラクタービジネスにおいて必須条件だったのである。弊社が取扱うレインウエアは一般的に馴染みが薄い。なぜなら雨が降れば大半の人が雨具として利用するのは傘である。一方、雨の日に傘を差すことのできない自転車やバイクを利用する人たち、あるいは屋外作業をする人たちにとってレインウエアは必需品。これまで長年、その企画、生産、販売と一貫して行ってきた弊社は、この「完全防水」に必要とされる要素をより多くの人たちに知ってもらいたいと、弊社が使用している完全防水布を用いて、身近な日用品の開発を模索していた。地球環境問題からエコ商品が注目される中、すっかり定着したのが買い物時のエコバッグだ。こんにちでは一人が何種類も持っているが、雨の日にそのエコバッグの中に入れたものが濡れない雨の日専用のものは、これまで見たことがない。「防水」と謳ってある商品はいくつか見かけるが、どれもこれもこの道のプロである私どもが実際に手にしてみると防水ではない。いや、このエコバッグのみならず世の中に「防水」と謳われている製品の大半は防水ではない。少々専門的な話になるが、これらはみな「撥水(はっすい)」という表現が適切で、生地の表面が水をはじいているだけで時間が経てば雨水は中に浸み込んでくる。しかも強い雨なら瞬時にである。当初は、そんな雨の日に使えるエコバッグという発想から商品開発を模索していたが、その後、度重なる企画変更を経て、雨の日に荷物の入ったエコバッグを入れたり、鞄など濡らしたくない大切な物を入れたり、あるいは濡れた傘やレインコートなどの雨具を入れられる、そんなマルチな「防水バッグ」を考案した。ただ残念なことに、私どものこだわりのひとつ、「縫い目に施すテープシール」は構造上どうしても実現することができなかったので「完全防水」という表現は避けたが、生地そのものは完全防水布を使用しているので「防水」という機能は充分に満たしている。この防水バッグは、サンリオ社に色の選定をお願いした「雨先案内人レインジャケット」に使われているピンクの完全防水布を用い、バッグ本体にハローキティのプリントを施した「雨先案内人ハローキティ防水バック」を第3弾のコラボ商品として2021年5月に発売した(写真3)。これまでのコラボ商品とは異なり、一般的な日用品だったことから多くのハローキティファンに現在でも支持されている。こうしてそれぞれの背景の中、「ハローキティ」と弊社ブランド「雨先案内人」のコラボ商品は、現在3アイテムで展開している。相乗効果と今後の展開弊社にとってサンリオ社とのライセンス契約がもたらした社会的信用は大きなものがあり、ハローキティ写真1:雨先案内人ハロ-キティ レインコ-ト写真2:雨先案内人ハローキティ レインジャケット

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