cuc_V&V_第53号
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5153とのコラボは、これまで弊社を全く知らなかったそのキャラクターファンに、弊社の存在と商品、そして歴史を知っていただけたという二次効果があり、そのファン層は弊社の新たなマーケットにもなった。ちなみに今回のコラボで驚いたことの1つに、そのファン層は決して子供に限ったことではなく、前述の看護師にも見られるように子供の頃のキティファンがそのまま年を重ねてもファンであり続けるケースがとても多く、そのファン層は老若に亘る。1974年に「ハローキティ」が誕生してから既に47年が経過していることからも理解できる。このような世界的にどの世代からも認知されているビッグキャラクター・ハローキティの販路やマーケットは、そもそもこれまでの弊社のそれとは全く異なる。しかし、本来交わらないものが出会い、異質なものだからこそそこに化学反応が起こり想定外の相乗効果が生まれたのではないだろうか。89年の歴史で初めてキャラクターとコラボした弊社にとって、「成功とリスクは背中合わせ、何かをするリスクよりも何もしないリスクの方がより大きい」というチャレンジそのものであった。モノ余りで物が簡単に売れない時代、スケールメリットから生まれる安価という商品価値もあるが、弊社においてはキャラクターという付加価値を付け、その相乗効果から生まれる独自性や差異性ある商品価値を高めていきたい。また、キャラクタービジネスは企業側からすると、「行き詰まり」からの脱皮でもある。まして老舗企業はなおさらかもしれない。赤い蓋でお馴染みの「食卓塩」。かつてどこの家庭の食卓でも必ず見かけていたが、こんにち塩そのものにこだわりを持つ人が多く、それは千差万別、多種多様に氾濫してしまい、その売上は激減していたという。ところが、2020年2月、これまでのこの商品にハローキティのキャラクターを付けたところ、売上が復活してきたという。まさに行き詰まりから脱皮した事例といえるだろう。弊社は今後も完全防水布を用いた「雨先案内人レイングッズ」の開発にさらなるチャレンジを続け、「企業のこだわりが反映された商品にキャラクターの付加価値を付け、そのキャラクターの持つファン層に支持される商品」をコンセプトに、コラボ商品の展開をしていきたい。そしてそのコンセプトは、弊社におけるキャラクタービジネスの道しるべであり、セオリーだと思っている。写真3:雨先案内人ハローキティ 防水バッグ

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