cuc_V&V_第54号
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2118プロフィール2020年明治大学大学院商学研究科博士後期課程修了博士(商学)2020年より千葉商科大学サービス創造学部専任講師著書に『オムニチャネル小売業におけるロジスティクス統合』(単著/同友館)、訳書に『デザイン思考の実践-イノベーションのトリガー、それを阻む3つの“緊張感”』(共訳/同友館、第6章を担当)千葉商科大学サービス創造学部 専任講師大下 剛OSHITA Takeshi2009年に開設されたサービス創造学部は、「学問から学ぶ」「企業から学ぶ」「活動から学ぶ」という「3つの学び」を基本としている。学部教員が「3つの学び」を意識しながら教育活動を行うため、ゼミナールや講義といった学部教育の様々な局面に「アクティブラーニング」が埋め込まれている。本稿では、その中でも「活動から学ぶ」の中心となっている「プロジェクト活動」を中心に、学部のアクティブラーニングを概観する。3つの学びの中の「活動から学ぶ」の中心的役割を担う「プロジェクト実践」は2年次より受講可能となるが、履修開始時点から円滑かつ充実した活動の実践を可能にするために、2019年度より1年生対象の必修科目として「研究入門」に加えて、「プロジェクト入門」が設置された。3つの学びの関係性を理解するとともに2年次から始まる「プロジェクト実践」で必要となる実践基礎力、集団における実践活動の立ち居振る舞い、ビジネスマナーなどの基礎習得を目指す内容となっている。「プロジェクト入門」の講義資料は担当教員によって作成されるが、実際の講義進行・運営は学年6クラス(クラスあたり約35~40名程度)に対して各クラス3人ずつ、プロジェクト実践の各プロジェクトから代表して採用されたSA(スチューデント・アシスタント)が担当する。教員とSAが意見交換し合いながら講義資料および講義進行を整え、実際の授業はSAたちが運営する。SAが講義をすることで、1年生受講生たちはロールモデルとなる先輩学生たちを意識しながら学ぶ一方で、授業運営を通して講義するSAたちの大きな成長が見られるのも「プロジェクト入門」の特徴的な点である。プロジェクト実践には「プロジェクト実践3A~3C(通年4単位)」「プロジェクト実践2A~2F(春or秋学期各2単位)」が存在する。2022年度は「プロジェクト実践3C」として9つのプロジェクトが、「プロジェクト実践2A・2B」各1プロジェクトが開講される。「プロジェクト実践」は2年次より履修可能となり、3年次、4年次と繰り返し履修することができる。一般的なアクティブラーニングとの相違点として「プロジェクト実践虎の巻」と呼ばれる56ページからなるルールブックに基づいた活動が求められ、400万円超の学部予算が学生たちの活動に対して付与される点が挙げられる。「虎の巻」内のルールは、学生たちがトラブルに巻き込まれるのを防止する目的で定められており、学部開設以来足掛け14年におよぶプロジェクト実践のナレッジの蓄積といえる。学生は前学期の終わりにどのプロジェクト活動を行いたいか希望を出して審査を受ける。プロジェクト活動ごとに定員を設定するため必ずしも希望するプロはじめにプロジェクト活動の概要サービス創造学部のプロジェクト活動

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