cuc_V&V_第54号
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62018年度におこなった観測井戸の掘削。この後ケーシングを入れて仕上げた。池脇における水質測定。現地で測定、記録をおこなう。写真3写真4市民の会手作りによる筏を利用しての池中央における水質測定。筏の操作を降水量(Precipitation)はAMeDAS船橋のデータである。Pond1〜4の順で市民の会会員に指導いただいた。上流から下流の測定点となる。写真5図2 2021年の池水のpHと日降水量3.1 科学的調査【水質調査】池の水質調査は一部市民の会と分担しているが、本ゼミナールが主として実施している。水質測定地点は池の最上流から下流までの定点6地点のほか、池への供給地下水(流入水)および池脇に設置した3本ある観測井の地下水である。観測井は周辺地下水と池水との相互作用(流入、流出)を判断するために2018年に学生たちにより手掘りで掘削された(写真3)。水質測定担当となった学生は池の最上流から下流まで各地点をまわって採水をおこない、水温、pH、電気伝導度の各項目を現場で測定する(写真4)。また、毎月一回の頻度で採水した試水を大学に持ち帰り、栄養塩(窒素とリン)濃度、COD(化学的酸素要求量)および糞便性大腸菌の分析もおこなっている。観測井においては水位計で水位も測定して記録する。池中央の水質測定を行う際には市民の会会員の指導を受けながら筏で池中央に向かったこともあった(写真5)。池中央の水質と池岸近くの水質の測定値に大きな違いがなかったため、現在は池中央での測定はおこなっていない。学期末に学生たちは自ら測定した結果と過年度に測定されたデータを合わせてグラフ化して解析を行う。水質測定結果例として学生が作成した上流4地点における2021年のpH測定結果をAMeDAS船橋の日降水量とともに図2に示す。ジュンサイ等在来水草は弱酸性を好むことが知られるが、グラフよりすべての地点において冬季には中性(pH=7)に近かったpHが夏季に大きく上昇したことがわかる。pHの上昇は日射量の増加により水中で藻類が繁殖した影響(光合成による二酸化炭素の消費)と考えられる。学生はpHのデータと自らが観察した夏季における水の濁りと藻類

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