View & Vision No55
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ⅸ FinTech Journal『NFTとは何かをマンガでもわかりやすく解説、なぜデジタルデータに数億円の価値が付くのか?』  https://www.sbbit.jp/article/fj/60992ⅹ NBA TOP SHOT公式サイト  https://nbatopshot.com/ⅺ NFT Media『【NFT×スポーツ】国内外のスポーツにおけるNFT活用事例11選』  https://nft-media.net/sports/sport-1/9297/ⅻ 湘南ベルマーレクラブトークン発行およびサポーターとつくるスペシャルデープロジェクト実施のお知らせ  https://www.bellmare.co.jp/252058ⅹⅲ パ・リーグ Exciting Moments β   https://moments.pacificleague.com/ⅹⅳ 内閣官房日本経済再生総合事務局『日本再興戦略 2016』  https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/0602/sankou_04.pdfジタルデータ」のこと。通常のデジタルデータはコピー・改ざんが容易なため資産価値が認められなかった。しかし、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)同様に、ブロックチェーン上で発行・取引されるデジタルデータは、参加者相互の検証が入ることでコピーや改ざんをしにくくし、デジタルデータの資産価値を担保できるようになった。デジタルデータに唯一無二の価値を持たせることを可能にしたのがNFTであるⅸ。NFT技術は、デジタルアート、ゲーム、マンガ、デジタルジャケットなどのジャンルで先行して活用され始めたが、スポーツビジネスにおいても期待が高まるところである。プレーヤーやプレー映像などのコレクション、記念品やグッズのNFT化、NFTゲーム×スポーツ、NFT×クラウドファンディングなど、さまざまな形でスポーツ界におけるNFTの活用が始まっている。事例の1つが、アメリカプロバスケットボールリーグNBA公認で発行されるデジタルトレーディングカード「NBA Top Shotⅹ」だ。NBAプレーヤーの名プレーシーンを10秒から20秒ほどハイライトとして切り抜いた映像データをカードとして販売するサービスで、これまでに取引されたカードの最高価格はレブロン・ジェームズの約23万ドル(約2,700万円)といわれる。また、NBA Top Shotの時価総額は、2022年1月には10億ドルに到達しているⅺ。日本国内でも、こうしたスポーツDXを志向した動きが加速している。湘南ベルマーレは国内のプロスポーツクラブとして初めてNFTを導入、「湘南ベルマーレトークンⅻ」を販売することでファンディングを行っている。トークン保有数に応じて、MVP選手選定の投票企画や選手応援メッセージ投票などを行ったり、トークン保有者の特典としてさまざまな権利を提供したりしている。こうした取り組みを行うクラブは他にも増えつつある。また、プロ野球・パシフィックリーグなどが運営する「パ・リーグ Exciting Moments βⅹⅲ」も、「NBA Top Shot」同様、パ・リーグ6球団のプレーヤーたちの記憶に残る名場面やメモリアルシーンをとらえた動画コンテンツをユーザーのコレクションとして保有できるサービスとして展開されている。スポーツビジネスは、1984年に開催されたロサンゼルスオリンピック以降、約40年にわたり、「入場料収入」「放映権収入」「スポンサーシップ」「ライセンス(マーチャンダイジング)」を事業の軸として、世界的に発展してきた。新たな財源・収入源として、DX領域の新たなテクノロジーを活用したサービス開発およびマーケット創出が実現し始めており、今後ますます注目される分野だと考えられる。2016年、日本政府が閣議決定した「日本再興戦略2016ⅹⅳ」の中で「スポーツの成長産業化」をめざす方針が示された。これは、2015年当時5.5兆円だったスポーツ産業関連市場規模を2025年までに15兆円に拡大するという計画である。新型コロナウイルス感染症拡大によりその達成は困難であるのが事実だが、スポーツ産業の成長が政策として盛り込まれたことは業界にとって大きな意義をもつことだった。その柱の1つとして掲げられたのが、地域活性化の拠点としてのスタジアムやアリーナの改革である。スポーツをするための競技場や体育館などいわゆる体育施設から、「稼ぐ施設」としてのスタジアムやアリーナへと改めるわけである。先んじて先進的な施設の建設が進む海外の潮流を取り入れつつ、地域の特色を反映したスタジアム&アリーナの建設計画が数多く進んでおり、2023年以降、全国で次々と誕生する予定だ。最近竣工された、もしくは、現在建設が進められてい341)スタジアム&アリーナ改革の背景3.スポーツファシリティ

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