View & Vision No55
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社2会科学は社会学、政治学、経済学、経営学などの学問分野で構成され、それぞれに独自の研究対象をもっているが、分析手法については共通する部分も多い。そこで本誌では、51号(2021年3月31日発行)で「社会科学におけるモデル分析」を、53号(2022年3月31日発行)で「社会科学におけるデータ分析」を特集テーマとし、それぞれ特定の分析手法について異なる分野の研究者に解説してもらった。 本特集では、その第三弾として歴史分析に焦点を当てる。通常、歴史学は人文学の一分野とされているが、理論的な仮説を検証するために歴史に焦点を当てたり、個別の事象の歴史を調べてそこから理論を構築したりする手法は、社会科学の諸分野でも行われている。また、そうした理論研究とは距離を置き、特定の歴史を詳細に調べてその事実を明らかにすること自体を目的とする研究も行われている。本特集では、そうした歴史分析の諸相を各分野の研究者に紹介してもらう。 1本目は、マックス・ヴェーバーの歴史分析について考察している。まず、ヴェーバーによる実証主義への批判などを確認したうえ

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