学長コラム

本学の取り組みや教育活動、学生たちの活躍などの最新情報を中心に、時折、原科学長の研究テーマである参加と合意形成、環境アセスメントに関連した話題もお届けします。

皆様、こんにちは。
秋学期の授業がはじまると同時に、キャンパスが一気に活気づきました。今夏も学生は多くの体験から学びを深めてきたと思います。

アジア学生交流会議(GPAC)開催

GPAC

8月26日~9月1日に、本学が主催校となり、アジア各国・地域の学生が集う学生交流会議「GPAC(Global Partnership of Asian Colleges:アジア学生交流会議)」を開催しました。GPACとはアジア各国・地域の大学生が集い、英語を公用語に経済問題や環境問題等、国際的課題に関する研究発表や討論を行う国際会議です。開催国は参加大学の持ち回りで、毎年8月に開催されています。本学がGPACに参加したのは2008年ですが、本学で開催されるのは2009年以来2度目です。本学の創立90周年にあたる今年は、創立90周年記念事業のひとつとして行いました。

今年の参加大学は、韓国(ソウル大学)、台湾(国立政治大学)、ベトナム(ベトナム国家大学)、中国(西南財経大学)、イスラエル(経営大学)、日本(千葉商科大学、早稲田大学)の6カ国・地域の学生116名が参加しました。さらに今後、首都大学東京も正式に参加するとのことで、今回はオブザーバーとして参加されました。

GPAC2018のテーマは「Towards a Sustainable Asia」(持続可能なアジアをめざして)と題し、日本初の自然エネルギー100%大学をめざす本学が主催した GPAC にふさわしいものとなり、本学からは14名の学生が参加しました。GPACは、2つの研究発表で構成されています。一つは、各大学の研究発表で、予め設定されたテーマに沿った各大学の研究論文の発表を行います。もう一方は、多国籍チームの研究発表(Competition)として、初対面の学生たちがチームを組み、GPAC開始直前に発表される問題について討論し、チームの意見をまとめて発表し、競うというものです。

今年の研究発表は、環境と開発(SDGs)、マクロ経済、国際金融、国際貿易、経営、観光、労働経済の分野からなるテーマでした。本学の学生たちはこのなかから、観光分野で「民泊で北関東を活性化」と題した研究発表、環境と開発(SDGs)分野で、自然エネルギー100%大学をめざす本学での学生たちの役割として、自然エネルギー達成学生機構SONEの活動紹介、そして、省エネ活動のためにスマホ・アプリ活用提案をテーマに発表しました。

Competition では、タイムリーな4つの国際的な課題に対して、各大学の混成チームで取り組みました。学生たちは初対面で多国籍チームに配置されますから、各国の到着日早々からコンペティション当日まで、あらゆる時間を使って議論を重ねました。GPAC では全てが英語で行われ、研究発表も数ヶ月もの間、準備勉強をし、英語で論文を書きます。Competition も知識の素地がなければ、自分の意見も伝えられないどころか、他国の学生と討論することさえできません。学生たちは、開催までの間、高橋百合子国際センター長(国際教養学部教授)を中心に1年を通して熱心な指導を受けてきました。国を超えた大勢の人前でプレゼンテーションをすること、そして、GPAC を通じて他国の友を得られたことは貴重な経験として、今後の人生の大きな糧となることと思います。

自然エネ100%大学で100%REシンポジウム開催

100%REシンポジウム

さて、8月はもう一つ、本学にとって大きなイベントがありました。8月23日に外務省、環境省、日本気候リーダーズパートナーシップ、イクレイ日本、CAN-Japanが共催して行うシンポジウムが本学で開催されました。

このイベントは、秋以降に続く脱炭素社会の実現に向けた国際大会(COP24等)を見越した、世界的にも非常に意味のあるイベントとしても注目を集めましたが、開催にあたり、共催者間での検討の結果、日本初の「自然エネルギー100%大学」で開催することの意義が共有され、外務省からの要請により本学での開催が決まりました。

当日は、定員の600名を超える多数の参加があり会場は満員。中根一幸外務副大臣による挨拶にはじまり、CANインターナショナルエネルギー転換担当代表ラッセ・ブルーン氏による基調講演のあと、私から本学の自然エネルギー100%大学への取り組みを紹介しました。その後のパネル討論では、再生可能エネルギー100%の実現を宣言する企業や自治体の代表者による二つのパネルディスカッションが行われ、私も登壇しました。

イベントには政府、地方自治体、企業、大学、NGOをはじめとした多くの方が参加されましたが、本学の取り組みをより多くの方に届ける機会となったと同時に、志を同じにする大勢の方々とのネットワークが拡がったことは有意義でした。またこのようなシンポジウムが本学で開催できたことで、国際社会における気候変動対策の推進に貢献できていることを大変誇りに思います。

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