学長コラム

本学の取り組みや教育活動、学生たちの活躍などの最新情報を中心に、時折、原科学長の研究テーマである参加と合意形成、環境アセスメントに関連した話題もお届けします。

日本記者クラブにて記者発表会

このたび本学は、2017年度に表明した環境目標のうち、2018年度の目標としていた1年間(2018年2月度~2019年1月度)の電力での自然エネルギー率(※1)が101.0%となり、2018年度目標の「千葉商科大学をネットで日本初の「RE100大学」にする」ことを達成しました。これは、本学所有のメガソーラー野田発電所等の発電量と千葉商科大学の消費電力量を同量にすることです。

直近1年間(2018年2月度~2019年1月度)の電力量(※2)は
(1)消費…3,651,482 kWh
(2)創出…3,691,568 kWh です。
※1 然エネルギー率:創出エネルギー量を消費エネルギー量で割った値(小数点第二位以下を切り捨て)
※2 小数点以下切り捨て

「RE100大学」とは「RE100」の大学版で、全国780ほどある大学の中で初の試みとして挑戦しました。先進企業が宣言している「RE100」は企業が事業運営の100%を再生可能エネルギーで行うとするものですが、本学の「RE100大学」は、大学で使用する量に相当する電力を再生可能エネルギーにより自ら発電するというものです。つまり、「RE創エネ大学」の略が「RE100大学」です。

このたびの環境目標の実現にあたっては、これまで本学が取り組んできた地球温暖化対策活動を軸として、ハードウェア、ソフトウェア、ハートウェアという3つの柱で、全学的なスキームを展開し、教職員、学生、そしてCUCエネルギー株式会社(本学に設立された地域エネルギー事業者)が主体的に取り組んでいます。

環境目標策定後の1年間で、“ハードウェア“では、メガソーラー野田発電所のパネル増設やキャンパスの照明のLED化を実施。“ソフトウェア”ではEMS(エネルギーマネジメントシステム)を導入し、学内のエネルギーを見える形にしました。さらに、環境に配慮した具体的行動につながる意識“ハートウェア”では、大学とともに自然エネルギー100%大学をめざす学生団体を発足。利用していない教室の照明や冷暖房の消し忘れをチェックする節電パトロールの実施や、夏の打ち水イベントによる省エネ行動の啓発、グリーンカーテン設置による消費エネルギーの抑制などを企画・実施しています。

そしてこの成果は、自然エネルギー100%の実現を提唱する世界的なイニシアチブ「自然エネルギー100%プラットフォーム」(運営:CAN-Japan)にて、国内の大学として初めて認定されました。(2019年2月27日付)

引き続き今後は、創エネ・省エネによって、2020年度目標であるガスを含む全てのエネルギーにおいて「自然エネルギー100%大学」をめざして、校舎屋上の太陽光パネル増設での自家発電、キャンパス内のソーラーシェアリングの実験等も開始します。

また、本学の仕組みをモデルに、国府台コンソーシアムや大学コンソーシアム市川等の近隣の教育機関等でも行っていただけるよう働きかけも行います。

「自分たちで使うエネルギーを自分たちで創る」ことに責任をもって取り組んでいくことが、持続可能な地域分散型エネルギー社会への転換につながります。それを本学が先導して行っています。

2020年度目標である「自然エネルギー100%大学」の達成は、決して容易ではありませんが、全学一体となって挑み、必ずや達成し、千葉商科大学の「商い」の力で世に広め、社会を変えていきたいと考えています。引き続き、よろしくお願い申し上げます。