学長コラム

本学の取り組みや教育活動、学生たちの活躍などの最新情報を中心に、時折、原科学長の研究テーマである参加と合意形成、環境アセスメントに関連した話題もお届けします。

※今回のコラムは、学生諸君に向けたメッセージです。

今年はコロナ禍のもとでの秋学期の開始となりました。大学院は10月3日から、学部は10月5日からが新学期です。9月24日付で学長メッセージを発信しましたが、本学のWebサイトのトップページに掲載したので読んだ人も多いと思います。

本学は学生の健康と安全を確保するため、他の大学に先駆けて2月末からさまざまな対応をしてきました。政府は5月25日に緊急事態宣言を解除しましたが、その後も厳しい状況が続きました。9月20日まで入構禁止措置を取ってきたのも、私たちは学生諸君の安全確保が最優先に考えるからです。また、合わせて、学生諸君の経済的支援も行って来ました。

コロナ禍での安全管理

9月1日にコロナ感染拡大の状況を判断し、それまでのレベル3の判断からレベル2に引き下げましたので、限定的ではありますが、大学に来てもらえる状況が生まれました。このレベルとは、正常な状態をレベル0、政府が緊急事態宣言を出した状態が最悪でレベル4と定義しています。

このように、状況は改善しつつあると判断しましたので、秋学期の授業はできるだけ多くの面接授業を行い、学生諸君の希望に答えられるようにしたいと考えます。しかし、十分な安全確保をするためには、物理的な制約もありますので、遠隔授業のものもかなり行わなければなりません。対面式の授業は全体の3割強になります。また、合理的な理由で遠隔授業のみの受講を希望する学生にはその希望に答えるようにします。

遠隔授業と面接授業のハイブリッドで授業を受ける学生には、十分な安全配慮のため、入構時チェックを厳密に行い、キャンパス内の清掃・消毒を徹底し、換気を頻繁に行います。とりわけ、飛沫防止の手段を徹底的に講じます。例えば、キャンパス内では教室などの共用部分は特別の費用をかけて抗菌処置も行いました。また、遠隔授業もできるだけ効果的になるよう設備の整備や教職員のスキルの向上などにも努めています。

大学での学び

学長コラム6月

入学式の学長式辞はビデオで皆さんにお送りしました。その時にも言いましたが、大学はキャンパスの内外で学生と先生や職員、また、学生相互がさまざまな交流をすることで学びを深めてゆくものです。

この春学期の経験で、講義など一部のものは遠隔授業でも可能で、効果もあることはわかりました。しかし、演習や実習、実験などを伴うものは対面でないと難しい。やはり、キャンパス内での直接の面接授業なしでは十分な教育はできないと私は考えます。そして、授業や課外活動などを通じた学生相互の交流が大切です。新入生諸君は、ようやくキャンパス内での学びもできるようになりました。同期生同士の交流や、クラブ活動などでの上級生との交流などが少しずつ可能になります。

そのために、私たち教職員は、皆さんが安心してキャンパスに来ることのできる状況を作りたいと考えています。コロナ対策と教育効果の向上、そのバランスを適切に取り、皆さんが充実した大学生活を過ごせるようにして行きます。

新しい挑戦

秋学期は面接授業と遠隔授業の組合せとなりますが、このような形は、コロナ後の社会でも継続する可能性が高いようです。あちこちの企業が、コロナ後も一部はテレワークで行うと言い始めました。皆さんが社会に出る頃には、多くの企業がそのような形になるのではないでしょうか。テレワークと職場に出勤して行う仕事の二本立てが一般的になるかも知れません。その意味では、皆さんは大学生活において、新しい日常への挑戦を始めることになります。

暫らくは制約された環境になりますが、是非、大学生活をエンジョイしてください。キャンパスで多くの皆さんの笑顔を見られるのを、教職員一同、楽しみにしています。