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社会×千葉商科大学

市川市民と千葉商科大学の学生の手によって、事前に製作された行灯を、市川真間の商店街から真間山弘法寺にかけて並べ、夏の夜を幻想的に照らし出す——
この光景が見られるのは、2015年から始まり、毎年7月に真間山弘法寺(千葉県市川市)で開催される「真間あんどん祭り」。市川の夏の風物詩となりつつあります。

真間あんどん祭り

地域の人に恩返しをしたい

「真間あんどん祭り」に、千葉商科大学の人間社会学部生が実行委員会メンバーとして参加するようになったのは、地元の商店街の方と市役所の街づくり担当の方からの「地域を盛り上げるのに、千葉商科大学生と一緒に何かできないか」という提案がきっかけでした。地域活性化や社会福祉を研究テーマとする人間社会学部では、普段からお世話になっている地元の人たちに何らかの形で恩返しをしたいという思いから、真間あんどん祭りの企画・運営への参加を決めました。

時代の移り変わりとともに、昔ほどの賑わいを失いつつある市川真間の商店街。地元の人が楽しめるイベントを実施することで、地域を再び活性化させ、地元の人にとってもそうでない人にとっても魅力ある街にすること。また、少子化や高齢者福祉などの社会的課題に対し、子どもから大人までさまざまな年代が交流できる場を提供することも、委員会のミッションでした。

真間あんどん祭り

企画の立ち上げからお祭り開催まで

毎年、新学期が始まる4月の始めに実行委員会を立ち上げ、学生、教職員、実行委員長や真間小学校PTA会長など、大学関係メンバーと地域の方が一同に介す企画会議を月に1回程度実施して、7月に開催する祭りへ向けて準備を進めます。企画会議では新しい企画の案出し、起こりうる問題に対する解決方法など、何度も熱い議論を重ねることになります。

あんどん作り
あんどん作り

お祭り当日は、境内に商店街の出店屋台が並び、ステージでは学生が企画した本学学生のバンド演奏、ダンスパフォーマンスも会場を盛り上げました。日が暮れて辺りが真っ暗になると、一斉に行灯に光が灯され、来場者から歓声が上がりました。また、2018年度は新しい試みとして、小学生向けビンゴ大会、メディア表現を研究する政策情報学部生による真間山弘法寺祖師堂をスクリーンとしたプロジェクションマッピングを実施。弘法寺の急な階段を上るのが難しい方々のために、階段下からあんどんを鑑賞できる観覧席を設置するアイデアも採用され、さまざまな年代の方に喜んでもらえました。

祭りを継ぐということ

年々、来場者数を増やしている「真間あんどん祭り」ですが、課題もあります。
総勢約160人の学生スタッフとその他の実行委員会メンバー、祭りに協賛・協力いただく商店街や弘法寺の近隣の方々と漏れなく情報共有し、いかに企画をスケジュール通りに進行させるか。委員会メンバーは、祭りの運営をマネジメントする実務的なスキルをもっと向上させれば、新しい企画を生み出すことに時間と力を注げるのに、とはがゆい思いもしました。

また、実行委員会メンバーの学生らが卒業した後に、それまで培ってきたものが途切れてしまわないよう、業務・企画内容をきちんと引き継ぐ必要があります。引き継ぎの質を高めることで、先輩から後輩へ、地域の大人から子どもへ、真間あんどん祭りに込めた思いが脈々と受け継がれていくようになります。
今後も、「真間あんどん祭り」がさらに発展することで地域が元気になるよう、学生と地域が一丸となってまちおこしに取り組んでいきます。

真間あんどん祭り

開催日程:毎年7月の第4日曜日15:00~21:00(開催日は変更になる場合があります)
場所:真間山弘法寺(市川市真間4-9-1)
内容:

  • 行灯ライトアップ(19:30~21:00)
  • プロジェクションマッピング(20:00~20:30)
  • 浴衣レンタル着付け無料(13:00~16:00、女性限定先着40名、下駄またはサンダル持参)
  • バンド演奏、ダンスパフォーマンス、ビンゴ大会、商店街出店屋台 等
  1. 2018年度参照。内容は変更になる場合があります。
  2. 行灯製作については市川市民の方々を対象に参加者を募集予定です。毎年5月の下旬以降に千葉商科大学Webサイトにて詳細を掲載します。
  • 真間行灯ライトアップ企画実行委員会facebook(https://www.facebook.com/mamaandon/)
  • 真間山弘法寺(http://mamasan.or.jp/)

真間行灯ライトアップ企画実行委員長

「真間あんどん祭り」は、商店街をシャッター通りにしたくない、地元をもっと活性化させたい、ここで育つ子どもたちに地元の思い出を作ってもらいたい、という思いから始まりました。千葉商科大学さんにお声がけをしたら、ちょうど研究テーマとも合っていたということで、学生の皆さんが企画・運営に協力をしてくださることになりました。年々、学生の意欲が高まり、結束が強くなっているように感じます。それと同時に、お祭りの認知度も高まってきて、来場者もどんどん増えていっています。地域の問題に一緒に向き合ってくれているのがとても嬉しく、頼もしく感じます。

「肉の山崎」二本松正利さん

真間行灯ライトアップ企画実行委員会 学生代表

実行委員長の念願が叶い、今回はじめてお寺の近辺だけではなく、真間の商店街から行灯を並べました。最終的には弘法寺から市川駅までの大門通り一帯に行灯を並べられるまでこのイベントが成長するといいなと思います。何年かかってもいいので、後輩にその目標を達成してもらいたいです。その際には、私も何らかの形で協力したいと思っています。

人間社会学部 島田明里さん(千葉女子高校出身)

真間行灯ライトアップ企画実行委員会 学生副代表

私は、渉外と調理のチームリーダーを務めていたので、特に地域の方々との連携が欠かせませんでした。定期会議以外でも、商店街を通りかかった際には、委員会メンバーの方のお店に寄って立ち話をするなど、積極的にコミュニケーションを取るようにしました。今後の運営は後輩が受け継いでいくことになりますが、さらに地域の人との関わりを深めながら、イベントを育てていければいいなと思います。

人間社会学部 清水卷さん(足立高校出身)

真間行灯ライトアップ企画実行委員会 教員

学生にとって大切なのは、単に「イベントを実施した」というところで終わりにするのではなく、研究の観点で課題と向き合うこと、地域の課題解決につなげることです。主役となる地域の方々とともに、今後どういう街づくりが必要なのかを議論、共有しながら、学生がその一端を担うようになってもらいたいですね。

人間社会学部 専任講師 齊藤紀子