CUC Times

SDGs

私たちの普段の生活の中で出る廃棄物や汚染物は、地球環境に負荷を与えています。これからの未来を考え、ライフスタイルを維持していくには、私たちが水や食品、エネルギーなどの資源を無駄にしないよう、消費するパターンを見直すことが必要です。

千葉商科大学は、「再生可能エネルギー100%社会」の実現に向けて、大学がつくるエネルギー量と大学で消費するエネルギー量を同量以上にする「自然エネルギー100%大学」をめざした活動を行っています。この活動の柱は、ハードウェア(太陽光パネルの増設や照明のLED化などの設備)、ソフトウェア(エネルギーの見える化や最適化)、ハートウェア(学生や教職員の行動につながる省エネ意識)の3要素です。

特にハートウェアの分野は、学内に結成された、学生団体SONE(Student Organizationfor Natural Energy:自然エネルギー達成学生機構)が中心となって能動的に省エネ施策を行い、学内に省エネのマインドを醸成しています。これまでにも利用頻度の低い飲料自動販売機の撤去や省エネ型への変更を大学に提言しています。

千葉商科大学の学生と教職員は約6,500名。省エネ意識を醸成するために、SONEはどんな活動をしているのでしょうか。

SONEの理念は「みんなが快適で無理せず続けられる省エネ」

2018年3月に発足したSONEは総勢20名。メンバーの多くは1・2年生です。環境問題に関心を持つ学生、省エネ施策を大学に提言できることに魅力を感じた学生、まだどの大学も成し遂げていない環境目標の達成を大学と一緒にめざすことにインパクトを感じた学生など、それぞれの加入理由は多様で、所属学部も異なっています。共通するのは「みんなが快適で無理せず続けられる省エネを考えたい」という思いでした。実施する側もされる側も窮屈なルールを設けたら続かない。みんなが続けられることを考えています。
「教室で座る席によって温度差がある。座席ごとの温度がわかるとそれぞれの体感に合うのでは?」「昼食ができる教室を決めれば、教室の電気が無駄にならないのでは?」「授業が終わっても電気や空調がついている教室がある」等、改めて考えてみると多様な意見が出てきました。

節電week

2018年の6月~7月には、「節電week」と銘打ち、メンバーが昼休みに各教室を見回り、無駄に使われている電気がないかチェックして、省エネできるポイントを探りました。冷房の効いた教室でのドアの開けっ放し、未使用教室の電気消し忘れ、日中でも廊下の電気が点いていた、冷房の効きが悪い教室があったなど、省エネの視点でチェックしてみると様々な発見ができました。

学生たちはドアを閉めたり、教室や廊下の電気を消して回ったり、冷房の効きが悪いと感じた教室では、事務局を通じて施設管理の部門に報告しました。
一方で、電気の消し忘れがあった教室では、電気スイッチの隣「点けたら消す!パトロール日付、SONE」と書いたテープを貼っていきます。それらはSONEが管理しているTwitterアカウントを利用して呼びかけ、注意を促しています。

さらに学生たちは、このようなパトロールを通じて発見した問題を解決する方法を探ります。学生たちの次の行動は、各自が発見した点をSONEの会議で問題提起し、皆で解決策を考えます。ドアを閉めるように促すよう掲示をしたらどうか、日差し等の明るさで廊下の照明が点灯するようなセンサーを導入できないか、教室の消灯喚起の掲示はドアのほうが目立つのではないかなど、様々なアイデアが出てきます。そしてそれを実行へ移し、そしてまた検証するPDCAのサイクルが循環します。学生が主体的に活動することの一例です。

節電week
節電week

打ち水で涼しく大作戦

2018年7月16日(月・祝)~20日(金)には、学内で行われてきた恒例イベントを、SONEが引き継いだ節電アクション「打ち水で涼しく大作戦」を実施しました。
このアクションは、打ち水による涼しさを体感することで、学内に節電意識の醸成と節電行動を促進させることを目的としています。参加者は打ち水前後で地面の温度を計測し、打ち水の後では約10度も温度が下がることを実証しました。SONEは、打ち水体験後に省エネ意識のアンケートを実施したり、回答者にはオーガニックあずきを使ったアイスバーを配布したりしました。さらにキャンパスの木陰にテーブルと椅子を設置し、アイスを食べながら心地よい省エネ体験も演出していました。

打ち水で涼しく大作戦
打ち水で涼しく大作戦

学内の省エネ意識の変化

昨年末には、各校舎を歩き回って「節電パトロール」を行いました。「節電week」から一歩踏み込んで、学生や教職員に呼びかけようと、使われていない教室の電気や空調がつけっ放しになっているのを見つけると、電源スイッチの近くに「消し忘れ!」と書いたテープを貼って、注意を促すようにしました。

今年に入ってからは、いくつかの教室で温度調査を行いました。一口に「教室の温度」といっても、空調の風が当たる位置、窓やドアの側、教室の中央など、席によって温度が違います。また、同じ温度でも人によって「暑い」「寒い」と感じる温度は違います。SONEメンバーは、1つの教室内に約10箇所、温度計を設置し、位置によってどれくらい温度が違うのかを計測しました。また、別の日には、空調の設定温度を1度下げた状態で同様に教室内の温度を計測し、周囲の学生に、1度の温度の違いで「寒すぎる」など、不快に感じなかったか聞き込みを行いました。現在は、この調査を元に、空調の設定温度を大学全体で1度下げても問題がないか、「学生が不快に感じることなく節電ができる」ことを証明するために、収集したデータを分析しています。準備が整い次第、大学側へ設定温度を下げることを提案する予定です。

こうしたSONEの活動により、今まで節電を意識したことがなかった学生が、SONEの省エネ活動や大学の自然エネルギー100%大学の取組みなどを知って、まずは自分ができることをやってみよう、と気付く人が少しずつ増えてきました。彼らの活動が、学内の省エネ意識と行動を着実に促しています。

節電パトロール
節電パトロール