私の名前がサタンドールになった理由

(以下の文章はすべて実話です。)

第1章 若さ故のあやまち 

 99年の5月の夜、突然私の家にそれはそれはテンションの高い、
1本の電話がかかって参りました。

???「○○○ちゃ〜ん(私の名前)」

私「誰?」

電話の相手は小学校時代の同級生2人。
すごい仲良しだったわけでもなく、
恋愛の対象でもなかった女の子2人です。
何年かに一度に会うことはありましたが、
まあ、私の交際範囲から外れていた人だったと思います。

友人「遊ぼうよ」

私「いつ?」

友人「今から」

その日のゴールデン洋画劇場を楽しみにしていた私。
ちょっと断りたくなってきました。

友人「 I(私の小学校時代に仲がよかった友人)もくるよ」

それを聞いて、心の中でそいつに会いたいなあ、
ジャニーズ事務所に入ったっていう噂は本当かなあ、
などと考えましたが、ゴールデン洋画劇場の方に興味津々です。
 後で何とでも言い訳できそうな適当な理由をアレコレ考えて
バックれようと試みた私ですが、その友人の一言で状況は一変します。

友人「窓の外見てみ。」

私「え?」

窓の外を見ると、車が一台止まっています。
車の中から誰かがこっちを見ているようです。嫌な予感がします。

私「もしかして、あの車から電話かけてるの?」

友人「うん」

私の部屋は窓の外から私の生活がモロに見える、
スケルトン仕様ともいえるような部屋です。
そのときの私は風呂上がりで裸でした。外からその姿は丸見えです。
しまった!カーテンを閉めておくのを忘れていた!
「裸で部屋で電話している」という事実だけで、
それまでに築いていたウソ八百の山は崩れ去りました。
例えば「風邪をひいてるから」などと言ってもそれならなぜ裸なのか?
その他すべての防御策が裏目にでてしまい、
もう行かざるを得ない状況になりました。
 まあIも来るならいっか、と思って私は洋服を着込んで
車に乗り込みました。

PM9:00

私「遅くなったね。で、これからどうするの?」

友人A「海へ行こう!!」

私「は?」

なぜこの時間にいきなり拉致されて、
海に行かなきゃいけないのでしょうか?
せいぜいカラオケあたりに行くもんだと思ってた私には
理解できませんでした。
 いや、だって突然何年ぶりになつかしいヤツから
電話がきたと思ったら、
電話より前から我が家の前でスタンバってやがるうえに、
なぜ海に行くか、話を聞いても納得できる理由らしいものが
何もないのです。
 それでも彼女たちはなんだかとっても楽しそうです。
何を企んでいるのでしょう?
何かのワナか?ものすごく帰りたくなってきました。
 しかし、Iもこれから呼び出すのです。彼は常識人。
彼がこの場に加われば、このバカ企画も取りやめになるでしょう。

私「はやくIを呼びに行こう。」

私と同様の手口でIを拉致することになりました。
彼の家の前に車を止めて、3人で楽しそうに電話をかけました。
 いつの間にか加害者ですが、大いなる目的(自分が家に帰りたい)を
達成するためには多少の犠牲はいた仕方ないのです。

PM9:30

・・・・・・・・・・作戦は失敗でした。彼は常識人。
そして逃げ方というものを知っていたようです。
最初、彼は我々と合流するようなことを言っていたし、
ノリもよかったのですが、結局彼は家から出てきませんでした。

PM10:30

 Iとの交渉に思いかけず時間がかかったことで、
ゴールデン洋画劇場「アダムスファミリー」(たぶん)は
半分くらい終わってしまいました。
もう今から家に帰ったところで面白くないです。
途中から見てもなあ・・・ それだったら見なくてもいいや、
と思ったあたりで私は吹っ切れました。
 この際こいつらの言うように海に行ってみよう、
よっぽど楽しいことでもあるかもしれないし、
たまにはこういう日があってもいいのだ、
 これが大きな間違いの始まりでした。
しかし、そのときの私は何も気付いてなかったのです。

つづき