救急救命の手引き
  
はじめに・・・

一口に救急救命活動と言いましても,それはとても広義にわたり考えられます。

救急救命活動とは,緊急度の高い場面において,それぞれの立場に置かれた人が可能な限り施す救命への活動全てを指します。

医師の免許・資格を持たない我々の救急救命活動は,一次救命手当(Basic Life Support)です。
BLSとは,確実な医療処置,治療の施せる医療機関に渡すまでの事態発生直後の緊急度の高い処置や,応急手当を指して言います。そして,このBLSの如何によっては,救える命が救えなかったり,逆に絶望的な状況からの奇跡的な蘇生を呼び起こしたり,人命の行方を左右することさえある,とても重要な知識と手技なのです。

このBLSは,人命救助に対する問題意識と,ある程度の研修と,そして,ほんのわずかな勇気さえ備わっていれば,誰にでも習得できる手技なのです。

BLSとは,一般に心肺蘇生(人工呼吸,心マッサージ)に代表されますが,この資料ではそれだけでなく,比較的緊急度の高い傷病への適確な処置(止血法,RICEの4原則)と,安全確保(搬送,三角巾法)についても扱います。


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