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千葉商科大学の実学教育

千葉商科大学の実学教育とは、単なる知識の習得ではなく、実社会で得られる実践知を身に体し、社会に貢献する力を養うことにあります。

遠藤隆吉の教育理念と「有用の学術」

千葉商科大学の実学教育は、創設者である遠藤隆吉の教育理念を基盤に、学生が自らの可能性に気づき、社会において自立的に活躍できる人材の育成を目指しています。遠藤は、建学の趣旨において「有用の学術を修め、質実の気風を養い、適く所として其の天職を完うせん」とすることを教育の目的としました。ここでいう「有用の学術」とは、実社会に根ざした実践的知識であり、単なる知識の習得ではなく、身に体して活用できる力を意味します。

実学教育とは、個々の才能を自発的に活かして天職を完うし、社会における役割を果たすための支援であるべきだと遠藤は考えました。そのため、遠藤は個々の才能を尊重する放任型教育を提唱し、過度な干渉を避け、自発的な学びを促すことを重視しました。例えば英語や運動など、個人の好むところを発達させることが教育の本質であり、天職を完うするための道筋であるとしています。

また、遠藤は「実用主義」に対しても独自の視点をもっていました。彼は、表面的な「真似事」の教育を批判し、精神の装飾(※)と実践知の両立を重視しました。つまり、実学とは単に役立つ知識を学ぶことではなく、その知識を通じて人格を磨き、社会に貢献する力を養うことにあります。古典の学びによって精神性を養い、実社会で得られる実践知を身に体することを、真の実学教育であると位置づけています。

※人間の内面を磨き、精神的な教養や礼儀作法を身につけること

治道家の理念と社会貢献人材の育成

さらに遠藤は治道家(ちどうか)という概念を通じて、教育と政治は根底を同じくし、文明の進歩と国家・社会の発展に寄与する人材の育成を目指しました。治道家とは、大局的見地に立ち、時代の変化を捉え、社会課題の解決に向かって果敢に取り組む人間像であり、教育者・政治家・学者の枠を超えて、社会全体に貢献する存在です。遠藤は、教育とは単なる知識の伝達ではなく、社会の問題点を見抜き、全体を見渡して行動できる人材を育てる営みであると捉えていました。

このような遠藤の思想は、千葉商科大学の実学教育の基盤となっており、学生一人ひとりが自らの才能を発揮し、社会において自立した存在となることを目指しています。教育は、手取り足取りの「お仕着せ」ではなく、個人が自ら考え、主体的に行動し、社会に働きかける力を育むものであるべきです。

福澤諭吉の実学との関係

また、遠藤の著作でも散見される福澤諭吉の思想も実学教育の理解を深める上で重要です。福澤は「独立自尊」の精神を掲げ、経済的自立と精神的自由の両立を目指しました。彼は「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という理念のもと、身分制度を否定し、自由で平等な社会の実現を教育の目的としました。

したがって、実学とは、日常生活に根ざした実践的知識であり、物理学や簿記、地理、歴史、倫理などを通じて人間性を高め、社会に貢献する力を養う学問であると説いています。

千葉商科大学における実学教育の実践

本学では、これらの思想を背景に、学内で80を超えるプロジェクトが展開されており(2025年7月現在)、学生・教職員が一丸となって取り組んでいます。実学教育開発は、これらの活動を体系化し、大学の理念に基づいた教育支援を行うことで、変化する社会に柔軟に対応しながらも、揺るぎない道徳的な精神を支柱にもつ人材の育成を目指しています。

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