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2024年8月、CUCエシカル学生クラブと、長野県の一般社団法人HAKUBA VALLEY TOURISMが共同で進めるプロジェクトが始動しました。このプロジェクトは、長野県の大町市、白馬村、小谷村といった北アルプスの麓に位置する観光エリアである「HAKUBA VALLEY」において、自然環境の保護と観光産業の発展を持続可能な形で両立させることを目的としています。「HAKUBA VALLEY」は国内外から訪れる観光客に人気があり、スキーや登山など四季を通じて豊かな自然を生かしたアクティビティが楽しめるエリアですが、その観光需要の増加により、自然環境への負荷も高まっています。このため、観光産業の発展を目指す一方で、その環境を守る取り組みが地域全体で求められています。
プロジェクトの中心的な活動は、HAKUBA VALLEYの企業や住民がどの程度SDGs(持続可能な開発目標)に対する意識をもち、どのような取り組みを行っているかを調査することです。学生たちは地域の現場に足を運び、実際に地域住民や企業に対してSDGsへの理解や取り組み状況をヒアリングしました。その結果をもとに、問題点や改善すべき点を抽出し、地域のSDGs意識をさらに向上させるための改善策を提案しました。具体的な課題としては、環境保護を観光産業の発展とどう両立させるか、また地域全体でSDGsを自然な行動として浸透させるにはどのような工夫が必要か、といった点が挙げられました。

1日目

白馬駅前藤屋食堂会議室でキックオフミーティングが行われました。HAKUBA VALLEY TOURISMの方々、学生14名、教員2名が参加しました。その後、白馬岩岳リゾートを訪問し、山頂イベント開催スペース、レストハウス、白馬ジャイアントスイング(ブランコ)、マウンテンハーバー(カフェ&テラス)を見学しました。次に、白馬ジャンプ競技場を訪れ、施設見学と白馬村とスキーの歴史、ジャンプ競技、ジャンプ台の運営、SDGsへの取り組みについて説明を受けました。最後に、「五竜とおみペンションIL BOSCO」に宿泊し、サステナブルな取り組みについて詳しく説明を受けました。特に断熱改修を実施し、地球温暖化問題解決に向けてCO2排出削減に努めていることが強調されました。

2日目

「エイブル白馬五竜スキー場」を訪問しました。株式会社五竜営業推進部田中氏から、五竜とおみスキー場のSDGsの取り組みについて説明を受けました。再生可能エネルギーを100%使用し、施設の汚水を浄化して再利用していることが紹介されました。次に「山麓ファームダイニング健菜楽食ZEN」を訪れ、無農薬野菜栽培農園の見学と同農園収穫野菜弁当を試食しました。また、北アルプス循環ブランド野菜の生産システムについても説明を受けました。その後、「パタゴニア白馬店」を訪問し、ストアマネージャー波多野氏からパタゴニアの環境保護への取り組みと地球温暖化問題について説明を受けました。最後に「イノアックコーポレーション白馬事業所」を訪れ、株式会社イノアックコーポレーション高田氏から白馬村内教育機関への断熱改修の協力について説明を受けました。

3日目

「八方尾根スキー場」を訪問し、八方尾根スキー場のSDGsの取り組みについて説明を受けました。特に、地球温暖化の影響と思われる白馬村を中心としたスキー場の近年の積雪減少の状況について説明がありました。次に白馬村八方地区にある事業者のSDGsへの取り組みについて現地取材を行いました。「HAKUBA VALLEY」が作成したSDGsアクションリストを持参し、八方地区のホテル、民宿、土産屋、飲食店などへ直接取材インタビューを行いました。最後に「ホテル対岳館」を訪れ、八方尾根スキー場の麓の事業主たちと自営ホテルのSDGsへの取り組みについて説明を受けました。

以上の活動を通じて、学生たちは「HAKUBA VALLEY」の自然環境保護と観光産業の発展を両立させるための具体的な取り組みを学びました。早速活動のひとつとして、地元紙である大糸タイムスへの月1回のCUCエシカル学生クラブによる連載がはじまりました。今後も地域全体が一丸となってSDGsを推進し、持続可能な発展を実現するモデル地域として国内外に発信できるようにしていきたいと考えています。

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