MIRAI Times社会の未来を育てるウェブメディア

インタビュー

千葉商科大学(商経学部4年)に通う片見公亮(へんみこうすけ)さんは、これまでパラ卓球の世界大会で数々の好成績を収めてきました。
右脚に先天性の障がいを持つ片見さんは、中学校から卓球を始め、8年に渡って卓球一筋の道を歩んできました。

2018年には、出身地である山形県の「平成30年度パラリンピック等メダリスト育成事業強化指定選手」にも認定されました。
片見さんに、これまでの歩みや来年のパラリンピックに向けた目標などを聞きました。

片見選手

——卓球を始めたきっかけを教えてください。

中学校1年生の時に同じクラスの仲の良い友達に誘われて、卓球部に入ったのがきっかけです。それまで卓球をしたことはなかったのですが、その子が部活に入るんだったら、入ってみようかな、と。

——全然興味がなかったのに、よく入りましたね。練習が大変だったのでは?

そんなことなかったです。放課後、毎日2時間ほど練習がありましたけど、ほかに特にやることもないし、苦じゃなかったです。
途中から、誘われた友達よりも自分の方が卓球に夢中になっていったと思います。
友達とは高校も一緒で、高3まで2人とも卓球部にいましたが、大学に入ってから続けているのは僕だけですね。

——何がそんなに夢中にさせたのでしょうか?

勝てたからだと思います。
他の健常者の部員よりも僕の方が努力していましたから。それと、卓球というスポーツが自分に合ってたんじゃないかと思います。純粋にゲームに勝てるのが面白かったですね。

——今の練習ペースは?

大会の準備や調整が無い時期は、近隣の施設や一緒に練習する選手と都合の良い卓球場などを借りて練習します。
大会の1カ月くらい前から本格調整に入りますが、集中して毎日2時間以上練習します。基本的には、パラ卓球の日本代表のコーチの元で練習しますが、時には高校生の時から個人レッスンをしてくれている仙台のコーチに自分がプレイしている動画を送って指導してもらうこともあります。

自分はコーチに恵まれていると思います。現コーチも仙台のコーチも熱心に自分のことを考えてくれて、練習メニューを組んでくれます。メンタル面の整え方についてもアドバイスしてくれます。

片見選手

——直近では3月にスペインオープンに出場して、団体戦で準優勝でしたね。勝てたポイントは何でしょうか?

ダブルスは結構動きが激しくて、障がいを持っていると動くのが難しい部分があるんです。いつも打ってるボールでも自分にとっていいポイントじゃないと打てない。なので、相手が動けないところを攻め込むようにします。そうすることで相手のペースを乱して、勝ち取るイメージですね。

——対戦相手の事前リサーチはどんな風にするのでしょうか?

世界ランキング上位者は、過去の試合の映像をYouTubeなどで常にチェックしています。その上で映像をコーチに見せて、どこを攻めたらいいかコーチと相談します。通常、対戦相手の名簿が大会の2週間前に発表されるので、それを見て自分で相手を予測して、作戦を練ります。どういう戦い方をしているか把握して、じっくり研究するんです。

——海外遠征ってすごいプレッシャーを感じるのでは?

そんなに感じないですね。緊張はするけど、「勝たなきゃいけない」というプレッシャーに押しつぶされることはないです。もちろん、「負けたくない」とは思いますけど。「負けたくない」という気持ちのほうが強いから余計なことは考えないんです。

それから、全日本の代表選手の先輩方と仲が良くてかわいがってもらっているので、皆と一緒にいるのが楽しいというのもあります。
ライバルというよりは、良き友達です。「友達」なんて年上の先輩には自分の口からは言えないですけどね。

だって僕、先輩にご飯に連れて行ってもらう時、いつもご馳走してもらってるんですよ。(笑)
そのかわり、後輩と行く時は僕が払いますよ! 「おごるけど、お前は後輩におごれよ」って教えられたんです。

片見選手

——自分の強みって何だと思いますか?

技術面ですね。サーブとバックハンドは強みです。
サーブは、回転をかけた上で、相手が獲りづらい狙ったコースにいくようにします。バックハンドは威力があると皆から言われますね。

それから、気持ちの切り替えが早いです。途中のセットで形勢不利になったら、落ち込んだりせずに、そのセットを捨てるくらいの気持ちで試合に向き合っています。

——2020年の東京パラリンピックに向けての意気込みを教えてください。

とにかく大会に出ることです。そして、出るなら金メダルを獲りたいですね。
出場するには、世界ランキングで13位以内に入る必要があります。今は31位なのでまずは順位を上げていくことが目標です。

そのため、今年は大会へのエントリーを増やしました。6月から11月にかけて、メキシコ、日本、中国、チェコ、フィンランド、オランダの6大会に出場予定です。

——将来の夢は?

大人になって選手を引退したら、豪遊してみたいです! (笑)
卓球ばかりやってきたので、大学生らしいことをあんまりやっていないですし。
美味しいものを食べて、買い物して、車を買ってドライブして……
選手人生ではできなかったことをしてみたいですね。とにかく自由時間が欲しいです!

片見選手

——ちなみに休みの日は何をやっているんですか?

好きなアイドルの映像を見たりしています。
最近は、日向坂46にはまってます。センターの小坂菜緒ちゃんがすごいかわいいんですよ。でも、僕は本当に好きなのは乃木坂46の白石麻衣ちゃんですけどね。彼女が本命、今はちょっと浮気中というところです。(笑)

——彼女たちの頑張っている姿を見て、片見さんもモチベーションを高めているんですか?

そうですね。彼女たちは癒しや気分転換というより、僕の支えと言っても過言ではないですね。

やっぱり、スポーツって純粋に楽しくできる時と、辛い時期とがあります。
その停滞期をどうやって過ごすか、いかに気持ちを上げていくかが大切で、そのきっかけとなるツールを持っていると違うと思いますね。

【片見さんのパラ卓球出場大会の成績】

  • 2019年
    スペインオープン 団体戦(クラス7)銀メダル
  • 2018年
    スロバキアオープン 団体戦(クラス7)銅メダル
  • 2017年
    台湾オープン 団体戦(クラス6-7)銀メダル
    チェコオープン 団体戦(クラス6-7)銀メダル
    ベルギーオープン シングルス(クラス7)銅メダル、団体戦(クラス7)金メダル
    アジアユースパラゲームス シングルス(クラス7)銀メダル、団体戦(クラス6-8)銀メダル
    ルーマニアジュニア大会 シングルス(クラス7-8)銅メダル
    ハンガリー大会 団体戦(クラス6-7)金メダル、シングルス(クラス7)銀メダル
  • 2016年
    インドネシア大会 団体(クラス6-7)金メダル、シングルス(クラス7-8)銅メダル
Twitterロゴ

この記事が気に入ったらフォローしませんか。
千葉商科大学公式TwitterではMIRAI Timesの最新情報を配信しています。

千葉商科大学公式Twitter

関連記事